苫小牧市立病院と市は18日、臨時記者会見を開き、感染床病棟に勤務する看護師2人が新型コロナウイルスに感染したことを公表した。同院の松岡伸一院長は「他の病棟や外来診療スペースに感染が拡大する可能性は極めて低い」と強調した上で、健康観察の6人を含め看護師8人のマンパワーが不足することになるため、少なくとも年明けまでの一定期間は新規患者の受け入れや手術の実施を制限する方針を示した。
市や同院によると、感染した看護師の1人は17日の勤務時間外に発熱があり、同日中に行った院内の検査で陽性が判明した。濃厚接触者などについて苫小牧保健所が調査中の段階から、同じ病棟に勤務する残りの看護師36人全員と医師や薬剤師など計55人を独自に検査したところ、新たに看護師1人の陽性を確認。他の54人は陰性だった。
感染経路や濃厚接触者については保健所が調査中だが万全を期すため、同院は陽性だった看護師2人と休憩時間が重なっていた同病棟の看護師6人についても自宅で2週間の健康観察とすることを決定。このため、現在の入院患者に対処できる体制は維持しつつ、少なくても年明けまで新型コロナの感染者を含む新規の入院の受け入れを見合わせ、外来診療の制限を強めるほか、不急の手術も延期するなどの制限を行う必要があるとした。
患者との接触機会が多いリハビリテーション科の受け入れも21日午前中まで休止し、同科の職員22人全員を院内で検査。その結果を踏まえ、再開の可否を判断する考えも示した。
「圏域の皆さまにご迷惑、ご心配をお掛けする結果となったが、周産期や緊急医療など通常診療とのバランスを取りながら新型コロナ対策に取り組んでいく」と松岡院長。岩倉博文市長は「保健所とも連携しながら濃厚接触者の観察を行うなど、今後も感染症指定医療機関としての使命を果たしていけるよう全力で取り組む」と力を込めた。