苫小牧駒沢大はこのほど、バスケットボール男子Bリーグのレバンガ北海道で今年までプレーし、選手現役を退いた同球団代表の折茂武彦さん(50)を講師に招き、キャリア専門科目の授業を行った。折茂さんは選手や会社経営者の観点からさまざまな成功の秘訣(ひけつ)を学生に伝え、「失敗をしてもポジティブに捉えて成功につなげて」と呼び掛けた。
科目は今年度の「キャリア専門A」。10月にスタートして同大の2~4年の21人が履修し、1月まで計15回の授業がある。スポーツ界で活躍した選手やコーチらを招き、講話を聴く。これまでには、ノルディックスキーの五輪や世界選手権団体で金メダルを獲得した阿部雅司さんをはじめ、女子アイスホッケー日本代表FW藤本もえこ(トヨタシグナス)らが講演した。
折茂さんはこの日の講演でトレーニングと向き合う方法を丁寧に解き明かした。「練習には『イメージ、意識、集中』の三つが必要」と強調した上で「調子が悪いときをイメージして、どんなときに悪くなるのか、どうしたら抜け出せるのかを考えるべき」と力説した。
球団の経営者としての経験も語った。レバンガ北海道は地域密着を運営方針に掲げ、イベント開催などを積極的に行ってきた経緯を説明し、「地域に愛されるクラブになれば、プレーオフに行けなくても応援される。収益が上がることでチームはさらに強くなっていく」と語った。
この科目を履修している同大野球部部員の柳原颯人(はやと)さん(2年)=キャリア創造学科=は「試合をイメージして練習することの大切さを感じたので、意識したい」と目を輝かせていた。
折茂さんは埼玉県出身のシューティングガードで元日本代表。埼玉栄高―日大から実業団チームのトヨタ自動車(現在アルバルク東京)に1993年に入団。移籍したレラカムイ北海道(当時)が経営破綻した後の2011年には、レバンガ北海道を設立して選手兼務の社長としてチームを率い、国内トップリーグでは日本人選手初の通算1万得点を達成している。