苫小牧署によると、2024年上半期(1~6月)に管内1市4町で発生した自転車盗は87件で、前年同期の44件に比べ2倍の大幅増となった。窃盗全体の認知件数は268件(前年同期比2件増)で横ばい。盗まれた自転車は7割以上が無施錠で、同署は改めて施錠の徹底を求めている。
過去5年間の上期の窃盗認知件数は、19年337件、20年250件、21年278件、22年255件、23年266件。コロナ禍で外出機会が激減した20年に大幅減となったが、それ以降は増減を繰り返している。主な被害品は食料品、自転車、衣類で、22年までは食料品が最も多かったが、23年から自転車の被害件数が上回っている。
24年の自転車盗の被害はJR苫小牧駅周辺が全体の半数を占め、通学目的で駅を利用している生徒が多いという。同署の冨士本学生活安全課長は「人出が多い場所や自宅敷地内であっても油断せず、できればツーロックを」と呼び掛ける。
また最近は、少年や高齢者による食料品、日用品の万引きに加え、転売を目的とした高額商品の窃盗で30~50代の摘発も増えている。8月28日には、札幌市東区の会社員の男(46)が苫小牧市内の家電量販店でデジタルカメラ1点(11万8800円相当)を盗んだ疑いで逮捕された。11月7日にも、美園町のパート従業員の女(50)が市内の書店でコミック本23冊(1万4938円)を万引きした疑いで逮捕されている。
万引きは被害に遭った店舗の関係者や警備員からの迅速な通報が検挙のカギとなる。同署は「万引きは立派な窃盗であり犯罪」として、犯人から返還や弁償を受けても必ず被害を届け出るよう要請している。