新型コロナウイルス感染拡大の影響で、経済的に困窮した世帯の家賃相当額を補助する苫小牧市の住居確保給付金制度の利用が増えている。2020年度の支給決定件数は11月末時点で82件と、前年同期の6件を大きく上回り、すでに19年度実績の9・1倍。国は最長9カ月とした給付金の支給期間の延長を発表しており、市も対応すべく準備を進めている。
同給付金は従来、失業や廃業で住居を失う恐れのある世帯を対象にしていたが、新型コロナ禍を考慮し、4月下旬に給付要件を緩和。勤務先の休業などで収入が大幅に減少した人も対象に含めた。
市総合福祉課によると、今年度は4~11月で申請相談が前年度比6・4倍の270件寄せられた。
国の緊急事態宣言に伴う休業要請が本格化した5月以降、飲食店関係者を中心に申請が相次ぎ、6月までに44件の給付が決定。9月以降は月5件程度で推移しているが、申請者は観光従事者からマッサージ師まで多岐にわたっているという。
国は今月8日、原則3カ月間(2回まで延長可能で最長9カ月間)としていた給付金の支給期間の3カ月間延長を発表した。ハローワークへの求職申し込みといった必須要件が加わるものの、最長12カ月間の支給が可能となる。
同課によると、今年度上半期(4~9月)に支給が決定した世帯のうち、約半数が支給延長申請を済ませたといい、国の延長方針にも対応できるよう準備している。市の担当者は「ぎりぎりまで自分で何とかしようと頑張る人もいるが、先が見えず不安だという人は早めに相談してほしい」と呼び掛けている。
相談・問い合わせは市総合福祉課 電話0144(32)6189。