道央自動車道・苫小牧中央インターチェンジ(IC)=苫小牧市高丘=が13日午後3時に開通した。開通前から、市内3カ所目のIC完成を心待ちにした車両が列をなした。苫小牧市民会館で開通記念セレモニーも行われ、事業主体の道の鈴木直道知事は「利便性の向上はもとより、救急病院への搬送時間の短縮が期待されるなど広域的な安心、安全の確保に寄与する」と力を込めた。
「苫小牧中央インターが15時に供用開始となりました」―。そうアナウンスが流れると、青空の下、同IC料金所前に待機していた約60台を超える車両が次々とゲートを通り抜け、道などの関係者が「行ってらっしゃい」などと手を振って見送った。苫小牧ナンバーの車両が多く、地元の関心の高さをうかがわせた。
市民会館の開通記念式には地元選出国会議員、道議の他、苫小牧市の岩倉博文市長や地元関係者など約140人が出席。はさみ入れやくす玉を割り、新しいIC開通を祝福した。
鈴木知事は道内各地とのアクセス強化や物流の効率化も挙げ、「企業や工場などの進出も期待される」と道内経済の活性化を願った。道と共同で同IC整備を進め、高速道路を管理するネクスコ東日本北海道支社の田中直樹支社長は「皆さまにご利用いただき、愛されるようにしっかりと管理したい」とあいさつした。
岩倉市長は40年間に及んだ要望活動を振り返り、「長年の悲願でした」と謝辞を述べた。広域医療の救急搬送体制の強化や災害時の物資輸送ルートの確保などの機能にも触れ「”命の道”としての役割を期待している」と願いを込めた。その後、出席者は同ICに移動。「祝開通」の横断幕を付けたバスやトラックなどの「通り初め」も行われた。
同ICは苫小牧西ICと苫小牧東ICのほぼ中間に位置し、国道276号と道央道本線を結ぶ延長3・1キロの連結道路を整備。総事業費は約60億円に上った。