道は10日、新型コロナウイルスに係る集中対策の期間を今月11日から来年1月15日まで延長し、「5人以上」や「2時間超」の飲食(自宅含む)を控えるよう、道民に要請した。クリスマスパーティーや年末年始の宴会など複数で集まる場や時間を減らし、感染を抑制するのが狙い。苫小牧市民の多くはこの呼び掛けを冷静に受け止めているが、親族らと会う機会が減ることに「寂しい」との声も上がっている。
クリスマスは毎年、数人の仲間と出掛けているという有珠の沢町の井ノ川颯真さん(22)=苫小牧駒沢大学4年=は、市内で感染者が増えていることを踏まえ、「友人とも外出は控えようと話し合っていた。残念だけど今は警戒を怠ることはできない。今年はオンライン飲み会になりそう」と話す。
末広町の会社員新谷夏美さん(25)は、年末年始に祖母宅で開く親族の宴会が今年は中止に。月末には札幌の友人と会う計画も立てていたが、道の要請も踏まえて「万が一感染してしまったら周りの人たちに迷惑が掛かってしまうので、流行が落ち着くまでは不要な飲食を我慢する。ただ、会社の忘新年会も中止になってしまったので、寂しい思いはある」と語り、例年とは異なる状況で迎えた師走に複雑な表情を見せている。
新中野町の主婦、中山真智子さん(66)は「一人一人の意識を高める上で、今回の道の判断は当然」と言い切る。感染抑止に多くの道民が懸命な努力を続ける中、拡大するウイルスの感染力の強さに不安の思いも吐露しながら、「自分自身もできることに取り組みたい」と感染対策への思いを述べた。