今年度から活動を開始した苫小牧駒沢大女子バスケットボール部が公式戦初勝利をマークした。第72回全日本大学選手権大会道予選会(11月、恵庭市など)の3部リーグに初出場し、正規部員は1年生2人ながら、過去に競技経験を持つ学生や中国人留学生が力を結集して北星学園大を下した。一ノ瀬和之ヘッドコーチ(HC)は「試合を通じて見えた課題を克服して、2部昇格を狙っていきたい」と来年に向けて抱負を語った。
昨年から大学職員として勤務している一ノ瀬HCは、埼玉栄高校女子を率いてかつてのウインターカップ全国高校選手権大会でベスト16に導くなど競技指導のエキスパート。今回の道予選会3部リーグに加わった苫駒大は初戦で北星学園大には25点差で快勝。優勝した教育大函館に49―78、2位の道科学大に66―70で敗れたものの3位となった。
同部はセンターの曽根有紗主将ら選手としての実績を持つ1年生2人が所属して北海道栄高との合同練習を重ねてきた。活動スタートもコロナ禍となった今年は同予選デビューを貴重な実戦の場に位置付けて学内でメンバーを急募。呼応した3、4年生1人ずつと中国人留学生3人が「臨時部員」となった。
急造チームの練習は10月中旬から約2週間しかなかったが、曽根主将は「うまくパスを回すことができ、ゴール下での粘り強さで得点を重ねられた」と手応えを語った。
北星学園大戦では、前半だけで24点差を付ける一方的な試合を展開。中学までバスケ部に所属し、「助っ人」の一人となった山本怜奈(4年)がスリーポイントを量産。一ノ瀬HCは「守備面でもスチールも重ねて、勝利に大きな貢献をしてくれた」とたたえる。
2敗を喫するも、道科学大には4点差まで追いすがる奮闘を見せた。道科学大のゴール付近の守備を固めるゾーンディフェンスにアウトサイドシュートで対抗。第3クオーター終了時で12点差劣勢に立たされたが、第4―で巻き返した。曽根主将は「相手のスリーポイントシュートの確率も高く、競り負ける形になった。でも終盤に追い上げを見せることができた」と振り返る。
3人の中国人留学生も大いに健闘した。中学2年までバスケを経験していた選手(1年)はガードとして出場。「日本では初めてプレーした。時間が限られた中で練習して勝てたことはうれしい」と喜びを語った。バスケ未経験で挑戦した張笑笛(同)は「試合では緊張したけれど、ディフェンスを頑張った」と笑顔を見せる。
来年は新入部員確保を前提として、本格的な部活動の体制を築くことになる。3部優勝で「2部昇格を目指す」と言う曽根主将は「今回のリーグ戦では他チームの実力を知れたので、来年に向けてしっかり対策を練っていきたい」と意気込む。