道は10日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、11日までだった感染拡大防止のための「集中対策期間」を来年1月15日まで約1カ月延長することを正式に決めた。札幌市内の接待を伴う飲食店への休業要請や、ススキノ地区の飲食店への営業時間短縮要請は12月25日まで継続。自衛隊が災害派遣された旭川市では札幌市に続き、リスクを回避できない場合の不要不急の外出自粛を12日から、クリスマスまで求めた。会議後、記者会見した鈴木直道知事は「医療提供体制の負荷のピークはこれから。何としても現下の感染拡大の抑制を図り、重症、亡くなっていく人を一人でも少なくしていかなければならない」と道民に協力を呼び掛けた。
集中対策期間は10月28日に初めて打ち出され、延長はこれで3度目。道が独自に定めた5段階の「警戒ステージ」は、全道が「3」、札幌市が「4相当」の現状を維持する。
集中対策期間の延長は約1カ月だが、札幌市内の接待を伴う飲食店への休業要請などの「強い措置」はクリスマスまでの2週間とした。休業要請に応じた店には60万円、時短要請に応じた店には30万円の協力支援金を支給する。
医療機関でのクラスター(感染者集団)が拡大する旭川市について、鈴木知事は感染経路を追えない「市中感染は広がっていない」との認識を示し、同市との往来自粛は要請から外したものの、「市内での医療逼迫(ひっぱく)を防ぐためにも、不要不急の外出は控えてほしい」と旭川市民に求めた。
また、道民には来年1月15日まで▽自宅を含む5人以上や2時間を超える長時間の飲食の自粛(同居者のみの場合を除く)▽年末年始のあいさつ回りの自粛―などを要請した。
記者会見した知事は、新規感染者数、感染経路不明割合、陽性率は改善の兆しがあるものの、「人口当たりの新規感染者数は札幌市が政令市で1番多く、北海道も都道府県で2番目。入院患者数は人口当たり全国最多で、重症者数も増加傾向にある」と説明。年末年始を迎え、人の往来が活発化することを挙げ、「これまでの集中対策期間で一定の効果は出ているが、約1カ月間延長する。大変心苦しいが、年末年始の医療崩壊を防ぎたい」と道民に協力を求めた。