新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中、年末年始の「あいさつ回り」をどうするか。頭を悩ませるビジネスマンらは多いようだ。例年通り対面であいさつするか、コロナ禍を理由に自粛するか、苫小牧市内の企業や団体の間でも判断が分かれる。感染対策を徹底した上で慣例に従うのが主流だが、一層の配慮などが求められそうだ。
年末年始のあいさつ回りで例年、多くの人が訪れる苫小牧市役所。全国では辞退する自治体もある中、苫小牧は例年通り受け入れる予定だが、市長と副市長の来客対応に当たる秘書広報課は「コロナの影響もあり、例年よりもあいさつの予約は少ない」と話す。
あいさつで訪れる人にはマスク着用や手指消毒などの感染対策への協力を求めつつ、例年は同課窓口前にある名刺置き場を6月から廊下に移している。名刺を置いてあいさつに替える来訪者もおり、不特定多数との接触回避や距離の確保につながっている。
苫小牧商工会議所も感染対策に協力を求めた上、あいさつ回りを受け入れるが、事前の予約を受けた際、「無理はしないでください」などと言い添える配慮をしている。新年交礼会の中止を決めたため、代替の機会を検討している。
市社会福祉協議会は例年、会長ら役員が市役所や関係企業などを回るが、今年は感染防止で中止。社協への訪問や面会などは受け入れる考えだが、多数の高齢者を抱える社会福祉法人などは「見合わせるところもあるのでは」とみている。
対応に頭を悩ませる企業が多い中、出光興産北海道製油所(真砂町)は今年、4年に1度の大規模定期補修工事(SDM)もあっただけに、担当者は「例年以上にお世話になった方々へのあいさつ回りは欠かせない」と強調する。
ただ、「例年と比べて予約を取りづらい」と言い、「相手の考え方を尊重している」と強調。道外関係者については「リモートあいさつ」とする。
トヨタ自動車北海道(勇払)も訪問、受け入れを予定しているが、基本的な感染対策に加え、あいさつは▽15分以内▽3人以内~などと目安を設けた上、来社予定者には2週間前から検温による体調確認の協力を求める考え。「面会が本当に必要かどうかを慎重に判断して対応する」としている。
苫小牧埠頭(入船町)も毎年、年末に来客を受け入れ、年始には自ら訪問するが今年は「行ってもいいですか」といった問い合わせが目立つ。相手と直接、顔を合わせる難しさを感じつつ、感染対策を徹底して一件一件丁寧に対応していく構えだ。 (コロナ取材班)
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