師走

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年12月1日

 2020年も残り1カ月。新型コロナウイルス一色の一年だった。いや正確に言えば、年が明けたばかりの頃は、その存在すら知らなかった。本紙が新型コロナウイルスを初めて報じたのは1月17日、中国武漢市の死者の記事だ。

 すべての人がマスクを着け、人との距離を取っている今、新聞をめくり、人でごった返す福袋売り場や、ファンで埋め尽くされるライブの写真を見るとぎょっとする。ある状態が1年も続けばそれに慣れ、昔をむしろ奇異に感じてしまうのは、順応性が高いと評価すべきことなのか、流されやすいと非難すべきことなのか分からない。

 知人が空港で見た光景を沈んだ表情で語る。距離を保つため、ロビーに並ぶ椅子は一つ置きに、座れないよう張り紙がしてある。そこに、家族連れが来て父親が座ろうとしたところ、近くにいた女性が空港職員を呼びに行き、家族ともめ、それを見ていた男性がさらに加わり、家族をののしる―。知人は黙って見ているしかなかったという。

 自分も含め人々のいらいらが増し、トラブルも増えているように感じる。誰もがこの一年、心底晴れ晴れとした気持ちになる日がなかっただろう。不安や我慢が少しずつ心をむしばんできたのかもしれない。師走に入っても、人々が慌ただしく走り回る活気はない。こういう時だからこそじっくり、冷静に、一年を振り返る機会にしたいと思う。それが新年の希望につながる保証はないにしても。(吉)

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