先週の事、「ぎゃぁん!」という猫の声で飛び起きた。ほかに2匹いる猫たちは私と共に寝ていたので、叫び声の主は、わが家の長老猫「シッポ」。保護猫なので正確な年齢は分からないが、15歳にはなる。
年の割には元気なシッポが、野太い声をあげながらパニックに陥っている。足を引きずるように見えたので、高い所から降りる際、着地に失敗して骨折したのかと思った。しかし、病院が開くのは3時間後…!
シッポは、しばらくすると落ち着いて眠りだした。そして、起き上がり歩いたのだが、今朝のようなパニックには陥らず、歩き方も変わらないように見えた。ご飯も食べた。ひとまず、もう少し様子を見ることにした。
その日の予定はキャンセルをして家でできる作業を行う。そして、午後診療が始まる30分前、シッポが起き上がり、いつもならすんなり登れる場所へ登ろうとジャンプをした途端…「ぎゃぁんっ!」と叫び、パニックに陥った。姉妹猫もつられてパニックになり、私もビックリ! ひとまず捕獲し、受診しました。
結果は、変形性頸椎(けいつい)症。高齢猫には珍しくないようで、付き合っていくしかないとのこと。これまで、うつにはなったが、体の病気はなく元気に過ごしていた。やはり、高齢猫なんだなぁと実感した。年老いても、かわいいシッポじぃ。いずれ介護が必要になるだろうと覚悟してきた。この家で安心して、楽しく過ごしてほしいと願っている。
私にとって、猫は人生の師であり鏡でもある。生まれ、さまざまなことを覚え、よく食べ、よく遊び、よく寝て、病があり、弱っていく。いつの間にか、私よりも年老いている。いとしい、懸命に輝く命に教わることは、とても多い。
(納棺師・苫小牧)