新型コロナウイルスで気になるニュースが入ってきた。17日に米国のIT企業グーグルが発表した日本版の感染予測データだ。人工知能(AI)を使い、独自に向こう4週間までの陽性者数や死亡者数を都道府県別で予測。17日時点では、12月12日までの死亡者は512人、陽性者は5万3321人としている。このうち北海道の陽性者は1万6877人で最多。自宅療養を含めた入院・療養等患者数は最大で9000人近くまで増えると見ており、その内容に危機感を感じざるを得ない。
一方、コロナ陽性者数の急増という現実は、私たちの日々の行動が反映されたものだ。政策としての是非はともかく、政府のGo To キャンペーンを活用して移動や外出機会が増えたことは紛れもない事実。PCR検査態勢が充実したことも一因ではあるが、ウイルスに対する油断など複雑な要因が絡み合いながら、今という事態を迎えている気がしている。
グーグル社は今回のデータ公表の狙いについて、「コロナの影響を受ける組織がより適切な対処を検討・準備する上で参考の一つとして利用することを目的にしている」と説明する。また、監修に関わった慶應義塾大学医療政策・管理学教室の宮田裕章教授はSNS(インターネット交流サイト)を通じて「未来を選択するためのツール」と発信した。予測を現実にしないためにも、もう一度、意識を変える必要がある。(隆)