米大統領選の開票速報のグラフが「速報」どころか10日たっても確定しない。NHKによると、13日朝の時点でトランプ大統領の得票を示す赤が217、バイデン氏の青が279、残り42。
トランプ大統領は「各地で不正が起きている」と主張し、法廷闘争を続ける構えだが、トランプ政権寄りとされるFOXニュースでさえ、「証拠が示されない限り、これ以上お伝えすることはできません」とホワイトハウス報道官の会見中継を打ち切ったと報道されていた。
日本で投開票作業の公正さが疑われることは皆無に近い。トランプ大統領は「職員が投票用紙を複製している」とも言っているが、選挙実務の担当者にまでそんなに不正を働く人がいるような国なら、その代表者である自分が恥ずかしくはないのか。討論会でも相手の発言を遮り、自分の言いたいことだけを言う。それでも、この候補が7200万票も獲得することにアメリカの分断の根深さを感じる。
赤と青に塗り分けられた州地図も何度も目にした。「赤い州でも青い州でもなく、全国民のため魂を込めて働く」とバイデン氏は述べ、相手を敵のように扱うのをやめようと呼び掛けた。3年前、選挙演説で「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言った前首相を思い出した。「極めて常識的な発言じゃないですか」と言ったのは当時官房長官の現首相。昨日、バイデン氏との初の電話協議で何を感じただろう。(吉)