少年野球の苫小牧選抜は当地開催の道学童軟式野球都市対抗戦「EZO CITY THE BATTLE2020」(1日まで、とましんスタジアムなど)で2年連続優勝した。昨年の栄冠で進出した全日本選抜大会でも優勝していて、その連覇にも大きな期待がかかる。石川将一監督は「プレッシャーはあるが、全力で戦っていきたい」と意気込みを語った。
今回で6回目の道大会には各地域から集った16チームが出場。10月にあった道内24チームの7ブロックに分かれた予選を突破した各地域選抜と前回優勝の苫小牧、準優勝の札幌が栄冠を競った。優勝チームが進む全国大会は2021年2月、前回同様に兵庫県の淡路島で予定されている。
苫小牧選抜は打撃や守備力評価のため、夏場にあったセレクションで市内の16チームから17人の有力選手が選ばれていた。1回戦で空知に4―1、2回戦で岩見沢に3―2で勝利。準決勝では石狩に5―0で圧勝すると、札幌との決勝では貴重な先制点を守り抜き1―0で逃げ切った。
4番・南彪亨(あやと)の一振りが決勝打となった。「速いストレートに強い打者」(石川監督)との見立てで準決勝から4番を任された南は一回、2死二塁から左越えにヒットを放った。期待に勝利打点で応え、「チームに貢献できて自信になった」と喜びを語った。先制の本塁を踏んだ2走の1番・板橋蓮斗主将も「初回で先制できたのが大きかった」と振り返る。
その後は投手戦の様相になり、主戦の石川瑛二朗は、先発・吉川をはじめ次々とマウンドをつなぐ札幌の投手陣と懸命の投げ合いを続けた。
この間、切れのある直球を軸にして緩急を付け、打者を揺さぶり続けた。内角球でフライに打ち取る場面も多く、「打たれないように投げた」と振り返った。
最終の七回、石川からマウンドを引き継いだ神隼斗は先頭打者に三塁打を浴び、同点のピンチを背負ったが、動じなかった。続く打者を遊ゴロに仕留めた後、三直の併殺で守り勝った。
「守備を信じて投げた」と神。空知との1回戦では、本塁打も放っていて「全日本では打撃でチームに貢献したい」と声を弾ませた。
全日本大会連覇に向けたチームの課題について石川監督は「バントの成功率と走力を高めること」と話す、着実に1点をもぎ取る野球を目指して強化を進める考え。「全国の強豪チームに勝てるよう準備したい」と話す。板橋主将は「打線のつながりとバント技術を向上させて、全日本2連覇を達成したい」とメンバーの強い思いを代弁した。