渡り鳥

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年11月3日

 冷たい風が首筋を通り抜け、思わずコートの襟を立てた。仕事を終えた帰り道の住宅街。肩をすぼめて歩いていると、「クワー、クワー」と鳥の鳴き声。空を見上げ、目を凝らすと星空が広がる中でV字に飛行するマガンの群れが見えた。時折、先頭が入れ替わりながら南西方向へと飛んでいく。長い旅路となる鳥たちに小さな声で「頑張って」とささやかに応援する。この季節に見掛ける当地ならではの光景だ。

 苫小牧市勇払でも数年前、渡り鳥の群れを見た。東側に向かう海岸沿いの一本道で、真正面から向かってくるハクチョウたちだった。車を止めて外に出ると、20羽ほどの集団が頭上を低空飛行で過ぎ去っていく。わずか数分だったが、映画のワンシーンのような美しい出来事に見とれてしまった。

 専門家によると、渡り鳥たちがV字で編隊飛行をするのは空気抵抗を最小限にし、エネルギーを節約するためだ。先頭が時々入れ替わるのは負担を分散するのが目的という。大きく広げた羽も互いに擦れ合わないよう、微妙な距離を保っている。力が強い者が弱い者を助け、仲間たちを守る自然の仕組みだ。

 新型コロナウイルスの感染者が再び増加し、過去最多を更新し続けている。今回の勢いはこれまでのものとは違い、大きなうねりのようだ。私たちも渡り鳥のように弱者を守りながら適切なソーシャルディスタンス(社会的距離)を取り、感染を防ぐ必要がある。(隆)

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