31日に迫った欧州発祥の伝統行事ハロウィーン。苫小牧市内でも仮装や飾り付けなどを楽しむ市民が年々増えているが、今年は新型コロナウイルスの影響を受けている。コロナ禍でイベントの一部が中止を余儀なくされる中、工夫を凝らした企画で商機を捉える動きも。感染防止を徹底させながら季節の催事を盛り上げる。
ノーザンホースパーク(美沢)は31日、イベント「ハロウィーン2020」を開催する。2006年から毎年開いており、同社パークマーケティング室は「夏期の利用に対する感謝の気持ちを込め、感染防止対策を徹底しながら楽しめるイベントにしたい」と実施を決めた。
例年、馬が園内を歩くホースパレード、クイズゲームなどが人気。今年は3密(密閉、密集、密接)を防ぐためイベントごとに定員を設定し、入場者と従業員の距離も十分に確保する。アルコール消毒液も各所に設置し、訪れた人に安心してもらえるよう配慮した。
MEGAドン・キホーテ苫小牧店(木場町)は9月中旬から、同店2階に特設コーナーを設けて、衣装約700種類、小物類約1000種類を用意。例年は店内のにぎわいがいっそう増す時期だが、コロナで恒例の仮装パレードなどイベントの中止が相次いでいることもあって商品の点数は2~3割ほど減らした。
そんな中でも、人気漫画「鬼滅の刃」のキャラクターをイメージした1万円台の衣装やホームパーティーで非日常感を演出する2000円前後のホットサンドメーカー、クレープメーカーなどが売れている。売り場担当者は「親子で同じ衣装を着るのがはやっている。31日まで駆け込み需要もありそう」と期待する。
洋菓子店のファームソレイユ(新開町)は、来店客が仮装して店内で写真を撮影するとカボチャのパイをプレゼントする恒例企画を今年は中止に。それでもハロウィーン向けに用意したケーキ5種類、焼き菓子10種類は今月に入ってから順調に売れており、本田圭克常務(40)は「売り上げに大きな影響は出ていない」と胸をなで下ろす。ただコロナの収束時期は依然として見通せないため、「クリスマス時期の販売方法を考えないと」と今から頭をひねる。
コロナ禍でも国などが経済を動かし、季節のイベントも徐々に再開しているが、関係機関が懸念するのは感染拡大。市健康支援課は「イベントの主催者は対策をしっかり講じ、参加者も密を避け、消毒やマスクの着用を徹底しながら楽しんでもらいたい」と訴える。
(室谷実)