北海道栄高校駅伝部がこのほど、今月開かれた男子73回北海道高校駅伝競走大会(10日、北見市)で準優勝した。2年ぶりの王座奪還と全国高校駅伝(12月、京都)切符は惜しくも逃したが、2年生以下主体のオーダーで来年以降につながる好走を披露。1区10キロで区間賞を勝ち取った藤本雄大(2年)は「後半まで余裕があった。チームを楽にさせることができた」と胸を張った。
道高校体育連盟など主催の今大会男子には単独、合同の38チームが出場。7区間計42・195キロをたすきリレーし、優勝のみに与えられる全国大会出場権を競った。道栄は1年生3人、2年生2人、3年生2人の布陣で挑み、2時間9分5秒で走破。外国人留学生を擁したライバル札幌山の手は2時間7分58秒で今大会を制した。
道栄は1区の藤本がつくった流れに乗り、札幌山の手と中盤までは数十秒差のレースを展開した。中間に当たる4区8・0875キロでは最上級生の宮武和矢(3年)が奮起。道中は3位の東海大札幌と一進一退の攻防を繰り広げ、強烈な向かい風でタフな走りも強いられたが「3年間で一番のできだった」と24分41秒で駆け抜け、見事区間賞に輝いた。
5区以降は主将下山立眞(2年)の緊急欠場によるメンバー変更が響き、山の手を抜き返すには至らなかったものの、山中慎監督は「予定が崩れた中で、よく戦ってくれた」とねぎらった。
今季は例年参加していた道外開催の駅伝大会や記録会に加え、合宿も新型コロナウイルスの影響で軒並み中止に見舞われた。困難の伴う環境下での習練を強いられたが、中学時代に全国駅伝出場経験を持つ選手を含む9人の実力ある1年生が加入し、チームは一気に活気づいていた。藤本は「とても刺激になった」と振り返る。
昨年の全国高校駅伝で1年生ながら重要区間の3区(8・1075キロ)を担った苫小牧明倫中出身の森春樹をはじめ、新チームには次期エース級にも目される逸材がそろう。宮武は「次こそは山の手を倒して、全国に行ってほしい」と下級生たちにエールを送る。
藤本は「森と自分がもっと強い選手になってチームを引っ張りたい」と意気込む。1年生で今大会の2区(3キロ)を走った苫小牧和光中出身の廣田陸は「一秒でも他チームと差をつけて、仲間を楽にさせられる選手になりたい」と抱負を語った。