苫小牧を本拠とする日本空手道振興会強健流空手道の柳田愛美(駒大苫小牧高2年)が同流派初段に合格し、注目されている。今夏の2日間、過酷な昇段試験をクリアし、柳田は「黒帯をもらえてうれしいけれど、さらに上を目指して練習していきたい」とますます向上を誓う。
道場を率いる柳田和弥会長の長女として小学3年で入門し、空手に打ち込んできた。これまでの鍛錬の大きな節目として8月下旬の初段の実力を判定する試験にチャレンジ。9月中旬に合格が決まり、樽前山神社で段位の認定証を受け取った。
道場の山田五郎代表は「成人男性でも不合格者が出ることがある」と話す昇段試験は、初日に体力審査、翌日にミット打ち、組手で構成される。体力審査は、腹筋500回、拳立て伏せ500回、ジャンプスクワット300回を2時間の制限内でやり遂げることが求められる。
柳田は3種目をわずか38分で完遂。「この日のために厳しいトレーニングを積んできた。思ったより早くできた」と手応えを語った。
続く組手は受ける相手に決められた技を繰り出し続ける「一本組手」と、1分間の試合形式を30セット繰り返す「30人組手」の2種目。とりわけきつい30人組手は心技体すべてが試される試練だがやり遂げ、「突きは素早く、蹴りはきれいに見せることを意識した」(柳田)と振り返った。
今後は後輩の指導にも注力する考えで、目標とする武道家は父、柳田会長。「追い付けるように、これからも練習に励みたい」と話し、「自分が教えてもらったことを後輩にも伝えて、初段合格者を増やしていきたい」と語った。