木綿のハンカチーフ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年10月19日

 その人は当時、国立競技場に近いマンションで暮らしていた。日本のロックバンドの草分け的存在・はっぴいえんどでドラムをたたいていた松本隆さんは、作詞家に転向することを決め、その部屋を訪ねた。そして自身が手掛けた南佳孝さんの「摩天楼のヒロイン」を聴いてもらった。すると、その人はこうつぶやいたという。「こういう好きなことをやって、食べられたらいいよね」

 希代の作曲家の筒美京平さんとの出会いを、松本さんは対談集「風待茶房」(立東舎)の中で語っている。後に松本・筒美コンビでヒット曲を連発する2人。ロック出身の松本さんとの融合について、筒美さんは「あの頃は職業作曲家というのは何となく守られていて…。その中で反抗してみたかったんじゃないかな」と振り返っている。

 2人が生み出した傑作の一つに「木綿のハンカチーフ」がある。長い詞で、作品を見て筒美さんも戸惑ったという。旅立つ男と残された恋人がテーマ。筒美さんの不安をよそに、時の流れによって変わる心象風景を、歌手の太田裕美さんが1人で歌い分け、大ヒットした。

 筒美さんの訃報を聞いて、あの曲を思い浮かべた。本名は渡辺栄吉さん。芸名は和楽器の鼓から「鼓響平」を考えたが、濁音を省いて「筒美京平」に決めた。生涯に約3000曲を作曲し、シングル総売上枚数は歴代1位。裏方に徹し、あまりメディアには登場せず、80年の人生を駆け抜け、星になった。(広)

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