今月3日に行われた中央競馬のアルゼンチン共和国杯(東京競馬場、G2)で重賞3勝目を手にした白毛馬ハヤヤッコ(牡8歳)が、暮れの大一番、有馬記念(12月22日中山競馬場、G1)への参戦を視野に入れている。
16頭が出走した同杯では10番人気。最後方にいたハヤヤッコは58・5キロのトップハンデをもろともせず最後の直線で大外を力強く伸び、先に抜け出した1番人気の実力馬とのたたき合いを首差で制した。15頭抜きでレースレコードを更新。8歳馬の躍動に思わずうるっと来た。
馬の年齢は人間の4倍とされ、競走馬の多くが5歳前後で引退する。鞍上(あんじょう)の吉田豊騎手はレース後、「おじいちゃんですけど頑張ってくれた」とねぎらった。古強者に刺激され、飼い犬と公園でダッシュを試みるも体が重く、思うようにスピードが出ない。加齢と運動不足が原因なのは明白だ。毎日歩いても、腹のぜい肉は簡単に落ちなくなっている。時間の流れは残酷で、ベテランの底力にはいつも勇気付けられる。有馬記念でのハヤヤッコの力走はきっと多くの中高年に元気を与える。あす24日のジャパンカップ(東京競馬場、G1)にも8歳馬のカラテが出走予定。近走は大敗続きだが、一波乱巻き起こせるか。(輝)