石炭

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年10月14日

 天気予報から積雪や凍結という言葉が聞こえる。朝、ストーブのスイッチを押して思う。石炭を知っているのは、何歳以上の人だろう。

 石炭は明治期から採掘が進み産業を支えた。しかし熱源は変わり、家庭の暖房の主役も灯油になった。炭鉱は次々に閉山し石炭も、着火手順や技術も、若い人はもう知らないだろう。

 「北海道20世紀の事件事故」(北海道新聞社)の年表は1901年2月12日の夕張炭鉱第1斜坑ガス爆発で始まる。炭鉱事故は約50件記載され、夕張や美唄、歌志内、赤平の地名や犠牲者の数が並ぶ。小規模なものも含めれば数百件に上るという。石炭の、もう一つの歴史だ。

 この季節になると1981年の北炭夕張新鉱のガス爆発を思い出す。93人が犠牲になった。ガスの突出は10月16日午後零時40分ごろ。現場は坑口から約3000メートル、海面下810メートル。救護隊が入坑し77人が自力脱出、救助された。しかし、午後10時すぎ、ガス爆発によって火災が発生。火勢は収まらず、会社は坑道注水以外に方法がないと判断。家族の同意を求めて23日に注水を始めた。注水の合図のサイレンに大人も子どもも黙とうをささげたそうだ。全員の遺体が収容されたのは翌年3月末、事故から163日後のこと。

 ガスの突出から39回目の10月16日が、間もなくやってくる。テレビニュースで繰り返し流された大きなサイレンの音が、今も耳の奥に残っている。忘れてはならない、かなしい音。(水)

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