(17) 市選挙管理委員会 投票所や開票事務 求められる感染対策

  • 変わる日常 コロナ新時代, 特集
  • 2020年10月5日
2017年の前回衆院選の開票作業。コロナ流行下で行われる次の選挙では、徹底した感染防止策と厳正な投開票事務の両立が求められる

  衆院議員の任期満了(来年10月21日)まで1年余りとなり、解散・総選挙の時期が注目される中、苫小牧市選挙管理委員会も準備を急ぐ。新型コロナウイルス流行下では初の選挙となる見通しで、従来にない配慮が求められるためだ。投票所の在り方をはじめ、投票受け付けや開票など一連の事務について他自治体とも情報交換しながら、正確性確保と衛生面の不安解消に万全を期す。

   市選管は次期衆院選も従来通り、期日前投票所を6カ所、当日投票所を40カ所設ける予定。有権者が安全・安心に投票に訪れることができるよう、コロナ対策に気を配る。

   投票所に消毒液を設置し、換気を徹底した上、事務従事者は当然、マスクを着用。有権者同士の社会的距離を保てるよう床に目印を付けて「密」を回避する。投票用紙の交付担当者をはじめ、有権者と触れ合う機会がある従事者の席にはビニールシートを張り、飛沫(ひまつ)感染を防ぐことにしている。

   投票する際に不特定多数の人が手にする鉛筆にも注意を向ける。これまでは記載台に置いたままだったが、次回選挙では鉛筆を入り口付近で渡し、投票後に出口で回収、消毒する。感染を懸念する市民もいるため、鉛筆の持参も可能であることを周知する方針だ。

   期日前投票所の活用も推進する。過去の期日前投票で来場が多かった時間帯をグラフ化して市のホームページに掲載。混雑を避ける目安にしてもらいたい考え。選管の前田正実事務局長は「投票所の滞在時間を短くし、スムーズに投票できることが重要」と話す。

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   開票事務のコロナ対策も欠かせない。開票に臨む職員同士の距離を保つため、作業台を増やす方針で、有権者が記載した投票用紙に触れるため、手袋着用や小まめな手指消毒の励行なども想定。消毒液やマスクの調達についても業者と調整している。

   開票に関わる職員は通常、140~150人規模。人数を減らすと開業作業が遅れるなどの影響が懸念されるため、最善の対応を模索していく。

   前田事務局長は「コロナの感染状況によっては、選挙事務にもっと人を充てるかもしれない。一番重要なのは間違いがないこと」と強調する。感染防止と厳正な事務の両立が求められる次回の選挙。周辺の自治体とも情報交換しながら、最も効果的な感染防止策を探っていく。

 (平沖崇徳)

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