スケートボードの山口翔生(かい)=苫小牧ウトナイ小6年、ブレイズ=はプロテストの全日本アマチュア選手権での上位入賞に向けて練習に励んでいる。今年は新型コロナウイルスの影響を受けて、同選手権を含めた主要大会は中止となったが、「来年開催されれば必ず上位に入ってプロになりたい」と意気込みを語った。
山口は昨年10月の全日本アマチュア選手権10位。日本スケートボード協会(AJSA)公認のプロ資格が与えられる8位以内には、あと一歩及ばず、今年は飛躍のときを待ち構えていた。
だが、年明けから新型ウイルスの流行という異例の事態が世界的に広がり、国内でもAJSA主催大会はすべて中止。かつてない状況下で競技的な感覚を維持するのは難しく、「なんとかモチベーションを維持して来年を迎えたい」と話す。
今年最後に出場した全国的な公式戦は1月に千葉県で開かれたキッズスケーターの登竜門「FLAKEカップ」本戦。北海道予選を3位で通過して臨んだが、17位で予選敗退。練習のみの期間を重ねながらようやく今月、24日に岩手県で開かれる大会に出場の見通しが立ち、山口は「次の全日本出場に向けての弾みにしたい」と抱負を語る。
山口はコロナ禍の中で所属先のブレイズ=苫小牧市有明町=にある競技施設でトレーニングに励み、披露する技、トリックの種類を増やしてきた。
ジャンプした空中でボード縦1回転、横に270度回転させた後、降りたレール上を滑る高難度の「トレフリップ・スライド」を習得。空中で片足を板からいったん離し、戻してから着地する得意技のエアトリック「ベニハナ」にも磨きをかけた。
技の幅が広がりつつあるが成功率をさらに高めることを課題にしている山口。「もっと練習したい」と意欲的だ。次に全日本選手権出場をかなえれば、リベンジを果たしたい考えで、「ノーミスで滑り切って、優勝してプロになる」とイメージを思い描く。そこがスタートラインで「海外での大会でも入賞できるようなスケーターを目指す」とたくましい。