日が傾くのが早くなった。
道庁2階の道政記者クラブでは、午後の早い時間帯からまともに西日を浴びる季節になった。街路樹も少し色づき、きょうから神無月に入った。
秋の夜長。元大阪市長、橋下徹さんの「政権奪取論」(朝日新書)を読んだ。「野党の弱さが今の政治の根本問題」と強い野党の作り方を提言。自民党は政治信条やイデオロギーにこだわらずに「融通無碍(むげ)に多様な意見」を取り込んでいく。
一方の野党は一部有権者の意見を気にして自らの政治信条に凝り固まった意見を発信。このため支持が広がらないと指摘する。
解散・総選挙の10月説は遠のいたが、札幌では毎週末に、各党の幹部が続々と来道。集会や街頭演説を活発化させている。野党の合流新党「立憲民主党」の道連組織も誕生。新党の道連代表に就任した逢坂誠二衆院議員は、衆院選の選対本部発足式で、こう語り掛けた。「憲法改正反対の人、原発反対の人もいる。政権を取るためには社会党とも一緒になる。それが自民党…」。野党も「それぐらい大きな懐がなければ、あの人たちには勝てない」。橋下さんの提言と似ていて、印象に残った。
近づく総選挙で、与野党一騎打ちの「関ヶ原」の構図を作りたい合流新党。ただ、共産や維新、れいわも党勢拡大へ虎視眈々(たんたん)で、行方は混沌(こんとん)としている。(広)