アイヌ民族の物語には、さまざまな妖怪が登場する。アザラシなど海の動物霊ルルコシンプもその一つ。絶世の美女に姿を変え、人間に取りついては命を奪う。妖艶な歌声で男たちを海へと誘い込むこともある。そんな恐ろしい魔物も、好きになった男には…。「それで、どうなったの」。アイヌの娘は胸をときめかせながら、母が語る民話に耳を傾けたことだろう。
企画「Kamuy」では、白老町在住のフォトグラファー永楽和嘉(えいらく・わか)さんがアイヌ民族の精神世界を表現したアート写真を紹介する。毎月1回掲載。
撮影―永楽和嘉。撮影地―白老近郊の海岸。モデル―cay izumi。
※モデルなど撮影協力者を募集中。連絡先はメールアドレスwaka.eir.ph@gmail.com。