苫小牧駒沢大野球部が24日、とましんスタジアム=苫小牧市=で行われた北海道学生野球1部秋季リーグの優勝決定トーナメントを制し、秋は1999年の道学生野球連盟加盟以来初の栄冠をつかんだ。札幌学生野球1部秋季リーグ覇者と明治神宮大会(11月、東京)出場を懸けて戦う、10月12日に同スタジアムで開幕の道地区代表決定戦進出が決定。2位は東農大オホーツク、3位には函館大が入った。
個人賞も決定し、苫駒大のエースで主将の伊藤大海(4年)が最高殊勲選手、優秀投手をダブル受賞。最優秀選手は2年生右腕の後藤晟、新人賞には大沼恒介(1年)がそれぞれ選出された。ベストナインには捕手の小松樹音副主将(4年)など3選手が名を連ねた。
今回の秋季リーグは苫小牧、函館、旭川、網走の道内6大学が参加して8月22日に開幕。1チーム10試合をこなす2回総当たり戦が約1カ月にわたって行われ、苫駒大、東農大、函館大の3校が8勝2敗で並び、2008年春以来の優勝決定トーナメントまでもつれた。
▽優勝決定トーナメント決勝
苫小牧駒沢大
003000000―3
100000000―1
東農大オホーツク
(駒)後藤、伊藤―小松
(東)林、伊藤茉―古間木
?土井(駒)守屋俊、知花(東)
▽最終順位(1)苫駒大(2)東農大オホーツク(3)函館大(4)旭川大(5)道教育大旭川(6)道教育大函館
—チーム一丸、流れ引き寄せる
プレーオフにもつれる激闘を制し、秋季リーグ初優勝を飾った苫駒大。「一つになって戦った結果です」。試合後、大滝監督は勝利をかみしめるように語った。
3―1の厳しい接戦を制した。先発投手・後藤が1失点。四回途中でエース・伊藤にマウンドを渡した。「伊藤さんとリレーできる投手になることが目標だった」と話す後藤。「まだ一緒にプレーできることがうれしい」と次戦への思いを口にした。
打撃陣も投手の好投に呼応するように奮起した。1点を追う三回に、2死一、三塁から土井の適時二塁打を含む3連打で一気に逆転した。
土井は直球を右方向に打ち返した。「ピッチャーに頑張ってもらっていた。少しでも楽にさせたかった」と思いを語った。
1番・高橋は猛打賞の活躍。3安打中2本は2死からの当たりだ。高橋は「3人で終わると相手の流れに持って行かれる。なんとか自分が出塁して流れを引き寄せたかった」と振り返った。
次は札幌学生野球連盟秋季リーグの優勝校との北海道代表決定戦。大滝監督は「プレーオフを争った2チームの思いも背負って戦おう」と選手を鼓舞した。
—勝利呼び寄せる好救援 エース 伊藤
誰もが認めるチームの大黒柱が試合を締めた。九回2死で最後の打者を三振に仕留めると、エースの伊藤主将はマウンド上で大きくガッツポーズをして喜びを爆発させた。「ここまで来たら野球を楽しんだ方が勝つ。ボールに気持ちが乗ってくれた」と胸を張った。
2点リードの四回1死三塁から救援した。淡々と同回のピンチをしのぐと五回、六回にも得点圏に走者を進めたが「むきにならず冷静に投げることができた」と決して得点を許さなかった。
21日の延長までもつれた函大戦で計162球を投じ疲れはピークに達していた。22日に延長戦を投げ切った後藤も同様。「お互いに完投は厳しい。分担するなら自分が2番手に回って、後藤に安心して投げてほしい」と大滝監督と相談して後輩に先発を任せていた。「心強い先輩になれたかな」とはにかんだ。
試合終了後、プロ志望届も提出した伊藤。「気持ち良く次のステージに向かうことができる」と喜ぶ一方、まだ大学野球ステージは終わっていない。10月12日からは札幌学生野球覇者と明治神宮大会出場を懸けた代表決定戦が待ち受ける。勝率で並び優勝決定の激闘を繰り広げた東農大、函大らの思いも胸に「道学生リーグの強さを証明したい」と意気込んだ。
【個人表彰】
▽最高殊勲選手 伊藤大海(苫駒大4年)
▽最優秀選手 後藤晟(苫駒大2年)
▽優秀選手 タイシンガーブランドン大河(東農大4年)
▽優秀投手 伊藤大海(苫駒大4年)
▽首位打者 タイシンガーブランドン大河(東農大4年)
▽新人賞 大沼恒介(苫駒大1年)
▽ベストナイン
投手 後藤晟(苫駒大2年)
捕手 小松樹音(苫駒大4年)
一塁手 成田登夢(苫駒大2年)
二塁手 佐藤太陽(函館大2年)
三塁手 タイシンガーブランドン大河(東農大4年)
遊撃手 武井伽耶飛(函館大4年)
外野手 守屋俊介(東農大3年)
外野手 佐々木涼太(旭川大2年)
外野手 守屋秀明(東農大3年)
指名打者 秋元佑介(旭川大4年)