下 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)布川信環境部主任研究員 CCUS実行日本唯一の場所 地域連携が重要に

  • CCUS促進協総会より, 特集
  • 2020年9月25日
「苫小牧は効率的にカーボンリサイクルができる」と布川研究員

 2019年6月に経済産業省がカーボンリサイクル技術ロードマップ(行程表)を出した。二酸化炭素(CO2)はこれまで使い切った要らないものだったが、カーボンリサイクルは発想を転換して資源と考える。CO2の炭素を化学品や燃料、鉱物と使えるものに戻し、CO2の排出削減につなげる。

 カーボンリサイクルはCO2の分離、回収、貯留する技術CCSに、有効利用ユーティライゼーションの「U」を加えてCCUSと呼ぶ。CCSなくしてカーボンリサイクルは成り立たず、その中で貯留だけでなく有効利用するという考え方。世界各国が積極的に進めている。

 日本はCO2をいろんなものに使えるように変換する触媒化学が得意分野。技術はかなり最先端だが、単に技術がいいだけではなく、使える形にしていかなければ。基礎研究を大きくするには、技術開発と実証が欠かせない。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は今年度から研究開発に力を注いでいる。

 CO2はこれまでも有効利用されてきた。産油国は油田にCO2を入れることで、原油を押し出して大量に回収している。ドライアイスもCO2の直接利用だ。カーボンリサイクルはそれとは別の新しい使い方で減らす、使うだけではなく、回すという観点になる。

 ただ、すぐにCO2すべてを有効利用はできない。CO2を何かの形にするにはエネルギーを投入し、手間もコストも掛けないといけない。30年に向けて技術開発し、使えるところから普及し、50年にCO2を削減するシナリオを描いている。

 苫小牧はCCSでCO2の分離回収装置があるということは、CO2が手元にあるということ。CO2を利用し、技術開発すれば効率的。特に出光興産北海道製油所のガスに含まれる水素を使えることに大きな意義がある。CO2や水素を反応させれば、燃料や化学品の原料メタノールに変換できる。

 ただ、CO2を有効利用できるから良かったというだけでなく、使い切れないCO2をどうするかが必要。発電所から出るCO2は圧倒的に多く、有効活用の「U」が実現しても、CCSが切り札になることは変わらない。苫小牧は有効利用も最低限やるが、回せないものは同時にCCSにする。まさにCCUSを実行できる日本で唯一の場所。

 今後は地域連携が大事になる。できたメタノールを何に使うのか。メタノールへの変換にはエネルギーを投入する。エネルギーの共用や物質のうまい使い方、反応に使われる蒸気や熱を連携して地域で使うなど、効率良く組み合わせることを考えていきたい。将来的には検討範囲も広がるが、まずはCO2からメタノールを造る技術検討を苫小牧で進めたい。

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