釣り場を守りたいと、地元のサケ釣りファンらがこのほど、苫小牧市錦岡の錦多峰川河口周辺のごみ拾いに汗を流した。企画して仲間に声を掛けた飲食店経営、佐渡悠人さんは「前から気になっていた。釣り場を残したい皆の思いで実現できた」と話した。
錦多峰川はサケ・マス採捕の河口規制が毎年9月1日から始まるが、規制前の8月は胆振を代表するサケ釣りポイント。道内外のファンが訪れ、泊まり込みで楽しむ人もいるほど。迷惑駐車やごみのポイ捨てが横行し、心ある愛好者に困惑の声が広がっていた。
惨状を放置しておくのはまずいと、佐渡さんらは規制開始日の9月1日にごみ拾いを計画。釣り場で言葉を交わす仲間に打診すると口コミで広がり、約30人が当日早朝に集った。回収したのは河川敷や海岸、周辺に散乱していたごみで、弁当やカップ麺の容器、ビニール・プラ包装、ペットボトル、折れたさおやたも網、折り畳みいす…。市ゼロごみ推進室によると、総量は300キロ超。「一つの場所で集めた量としては相当」と驚く。
「釣り人のマナーの悪さで各地の釣り場が失われている。取りあえず自分たちにできることをしたい」と佐渡さん。来季もまた仲間らにごみ拾いを呼び掛けたい、と話していた。