上 経済産業省 川口征洋地球環境対策室長 CO2を資源として生かす 苫小牧の活動拠点 脱炭素化への試金石

  • CCUS促進協総会より, 特集
  • 2020年9月23日
「苫小牧でカーボンリサイクルを進めたい」と川口室長

 苫小牧CCS促進協議会(会長・岩倉博文市長)は16日、苫小牧CCUS・カーボンリサイクル促進協議会に改組した。二酸化炭素(CO2)を回収、貯留するCCS実証試験の成果を受け、CCSに有効利用(Utilization)の「U」を加えたCCUS、カーボンリサイクルの実証という国の新たな取り組みに地域一丸で臨む機運を高めるのが狙い。同日の促進協総会で関係者が語った、CCUSの意義などを紹介する。

 新型コロナウイルス禍で経済活動が止まり、世界のCO2排出量が約8%減ると言われている。国連環境計画はコロナ前、温暖化対策で気温を1・5度抑えるため、CO2を毎年7・6%ずつ減らす必要があるとした。いざ8%減るといかに難しいことか改めて分かったが、CO2削減が経済活動に影響してはいけない。省エネルギー、脱炭素化を追究し、(突然できるようになる)非連続のイノベーション(技術革新)が不可欠になる。

 日本は環境と成長の好循環をコンセプトに脱炭素化を進める。国内総生産(GDP)を犠牲にするのではなく、温暖化対策を成長戦略に位置付け、2050年までにCO2の80%削減を掲げている。今年1月に革新的環境イノベーション戦略を定め、国としてはCO2を抑えるだけではなく、CO2をマイナスにする技術を追究することにした。温室効果ガスは13年度に約14億トンあり、約2・5億トンまで減らさないといけないが、産業のプロセスからどうしても出てくるCO2が約3・6億トンあるためだ。

 CCSはエネルギーを使っても、CO2を地中に埋めれば排出量を抑えられるため、世界的コンセンサス(同意)になっている。(温室効果ガス削減など国際的枠組み)パリ協定に基づく長期戦略では商用化を前提に、30年までに石炭火発への導入を検討している。苫小牧で実用化に向けた実証30万トンを達成し、コストも抑えたことが世界中から好意的に捉えられている。

 その中でCO2貯留の実現は必要だが、CO2を資源と捉えて生かすことも必要で、戦略にもCCUSが重要なイノベーションになる。従来の取り組みの延長では実現が困難。苫小牧のCCS分離回収施設をカーボンリサイクルに生かすべきだと、CCS実証についても総括した。日本の技術力を生かせる展開で、20年度は実現可能性調査を進めている。

 国は革新的環境イノベーションの拠点をいくつか造っている。東京湾岸のゼロエミッションベイは、廃棄物ゼロの技術を追究する産業間連携。広島県大崎上島では世界最先端の石炭火力発電所でCO2を分離し、カーボンリサイクルの研究拠点に生かす。そして苫小牧はCCSとカーボンリサイクルのメタノール製造を大規模に実証する拠点として期待されている。

 日本のCCSは貯留の可能性が日本海側に多く、産業拠点が太平洋側に多いため、CO2の長距離輸送は船舶に頼ると思う。世界的にも大規模、長距離輸送は課題で、経産省も課題解決へ予算要求中だが苫小牧のポテンシャルがあればCCS、カーボンリサイクル、輸送の連携や拠点として取り組める。省内でも苫小牧をこれからどう生かすかが、日本が脱炭素化する上の試金石と捉えている。

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