第73回秋季北海道高校野球大会室蘭支部予選最終日は20日、とましんスタジアム=苫小牧=でA、B両ブロックの代表決定戦が行われた。Aは北海道栄が3―0で鵡川に勝利し、2年連続20回目の全道大会切符を獲得。Bブロックでは、駒大苫小牧が延長十一回の激闘の末7―5で苫小牧東を下し、2年ぶり18回目の代表権をつかんだ。
来年春の選抜甲子園につながる2年生以下の新人戦は、胆振、日高の21校18チームが参加し12日に開幕。2ブロックに分かれトーナメント戦を展開してきた。全道大会は10月4~10日に札幌円山、麻生両球場で開かれる。
【Aブロック】
▽代表決定戦
鵡 川
000000000―0
00000300X―3
北海道栄
(鵡)佐々木、西川、佐々木―木川
(栄)小沼―臼井
?川越(栄)
道栄が完封で代決を制した。先発した主戦小沼が3安打に抑える力投を見せ、打線は六回に川越の適時二塁打などで3点を奪った。鵡川は投手陣の踏ん張りに打線が応えられなかった。
—Aブロック代表 北海道栄、投打が仕事果たす
北海道栄はエース小沼が公式戦初完封し、打線も少ないチャンスを物にした。糸瀬監督は「小沼の好投もあり、先制できた方が勝つ流れだった」と振り返っていた。
スライダーとチェンジアップを低めに集め、被安打3に抑えた小沼は主将も務めている。先頭打者への与死球と次打者の犠打でピンチを背負った五回は、その後2者連続三振で切り抜けた。決め球はどちらもスライダーだった。「後半からは調子よく決まった」と自信を深めた。全道大会に向けて「引き続き無失点を目指して投げていきたい」と抱負を示した。
打線は、今大会からベンチ入りを果たした5番・一塁手の川越が六回、1死一塁で適時二塁打した。低めの変化球に合わせた打球は右中間を割った。川越は「打ててほっとした」と語った。
無失策の引き締まった試合で強敵の鵡川を破った。チームとしては2年連続の道大会出場。糸瀬監督は「チャレンジ精神を忘れず戦ってほしい」と期待を込めた。
【Bブロック】
▽代表決定戦
駒大苫小牧
100003001
010010030
苫小牧東
02―7
00―5
(延長十一回)
(駒)林、石橋、稲場―北山
(東)長谷川稜、猪田、木村英―前川
?田中善、石橋、小林(駒)長谷川涼(東)
駒大苫が接戦を制した。1点を追う九回に小林の適時二塁打で同点に追い付き、延長十一回に田中善が2点二塁打を放ち試合を決めた。苫東は攻守に粘りを発揮していたが、最後は力尽きた。
19日
▽準決勝
駒大苫小牧
110020000―4
000001001―2
大谷室蘭
(駒)林、石橋―北山
(大)今谷―石井
?荒木(駒)
?石井(大)
駒大苫は試合開始わずか4分で先制するなど五回までに4点をリード。九回に2番手登板のエース石橋が連打を浴び2点差に詰め寄られたが逃げ切った。大谷室蘭は終盤にかけて反撃したが、あと一歩及ばなかった。
—Bブロック代表駒大苫、主砲田中が決勝打
駒大苫の主砲田中善が、その打棒で2年ぶりの全道大会出場をたぐり寄せた。延長十一回2死一、二塁で「(九回から登板した1年生)稲場の頑張りに何とか応えたかった」と内角への変化球を左越えにはじく2点二塁打とした。殊勲打に「うれしかった」と塁上で喜びを爆発させた。
この試合ではチーム最多の4安打。当日朝に全体の集合時間より1時間以上早く学校グラウンドに入り、ティー打撃や重いボールを使った下半身の動作確認を行った実直な準備が奏功した。佐々木監督は「4番の仕事をしっかり果たしてくれた」と評価した。
屈指の打力を買われ今大会2回戦で4番を担うも無安打で途中交代。19日の準決勝ではスタメンから外れた。「打たなきゃいけないというプレッシャーで体が固まってしまっていた」と田中善。我欲を捨て、チームの勝利だけを考えるようにしたことで気持ちが楽になったという。「まだ調子の波がある。全道までになくしたい」とさらなる進化を誓った。