コール・ヴォイジャーズ指揮者 越田 和弘さん(82) 合唱と共に歩む人生 ”心の調和”大切に 歌の楽しさのとりこ

  • ひと百人物語, 特集
  • 2020年9月19日
「合唱を通してたくさんの人と出会うことができた」と話す越田さん
「合唱を通してたくさんの人と出会うことができた」と話す越田さん
北海道大学グリークラブで合唱に打ち込んでいた学生時代(最前列が越田さん)=1956年ごろ
北海道大学グリークラブで合唱に打ち込んでいた学生時代(最前列が越田さん)=1956年ごろ
コール・ヴォイジャーズ第1回演奏会(後列左から7人目が越田さん)=1999年
コール・ヴォイジャーズ第1回演奏会(後列左から7人目が越田さん)=1999年
苫小牧市内で開かれた第九の演奏会で「歓喜の歌」を歌う越田さん(指揮者から上に2人目)=2007年
苫小牧市内で開かれた第九の演奏会で「歓喜の歌」を歌う越田さん(指揮者から上に2人目)=2007年
ネーピア市で地元合唱団とのジョイントコンサート=2005年
ネーピア市で地元合唱団とのジョイントコンサート=2005年

 合唱との出合いは、18歳の時。北海道大学に入学して間もなく、友人に誘われるままグリークラブ(男声合唱団)の部室を訪れた際、室生犀星作詞の「ふるさと」が廊下まで聞こえてきた。温かなハーモニーに一瞬で心奪われ、合唱と共に歩む人生をスタートさせた。 

 小学校中学年の時、音楽の授業で教員に歌詞の読み間違えを厳しく指摘された経験から、人前で歌うことが嫌いな子どもだった。しかし、大学で先輩たちの歌声に魅了され、すっかり合唱のとりこに。グリークラブに入部するも、最初は楽譜を読むことができず、苦労の連続。猛練習で合唱に必要な知識と技術を身に付けた。

 1960年3月、同大学を卒業後、旭川市で働き始めた。すぐに、友人が創立した旭川混声合唱団に誘われて入団。数カ月後、指揮者が転勤して団を去ったため、後任を務めることに。仕事が多忙となり退団した69年まで、指揮者を続けた。

 その後は転勤を繰り返したこともあり、合唱から遠ざかっていたが、関係会社への転籍で苫小牧に移住した93年、転機が訪れた。市制45周年を記念してベートーベンの交響曲第9番(第九)の演奏会が予定されており、合唱メンバーを公募していることを新聞記事で知った。すぐに参加を決意。約20年ぶりに合唱を練習し、「やっぱり歌は楽しい」と再認識した。

 さらに、この演奏会で大学時代のグリークラブの先輩にも再会。「男声合唱団が苫小牧にないのは寂しい」と意気投合し、96年4月、団員6人で男声合唱団「コール・ヴォイジャーズ苫小牧男声合唱団」を旗揚げした。

 苫小牧初の男声合唱団は各地で評判となり、地域のイベントや病院、高齢者施設などに呼ばれて合唱を披露してきた。99年には初めての自主公演を市文化会館で開催。2005年には苫小牧市の姉妹都市であるニュージーランドのネーピア市を訪問し、同市の聖ヨハネ大聖堂で地元合唱団とジョイントコンサートも開いた。

 06年、故・三上徳博初代会長からバトンタッチされ、苫小牧合唱連盟の会長に。これを機に、「ベートーベンの第九演奏会で年末を迎えるのを苫小牧の恒例にしたい」という夢に向かって行動を始めた。08年、市民有志で「苫小牧第九の会」を結成し、初代会長に就任。翌年12月、同会初企画の「ファンタスティック・ガラ・コンサート」を開催し、第九の「歓喜の歌」の合唱を取り入れたコンサートを6年連続で手掛けた。

 「合唱の楽しさは単に声を合わせて歌うことだけではなく、仲間と心を通じ合わせて調和する『メンタル・ハーモニー』にある」と、越田さん。「合唱を通し、たくさんの仲間との出会いや貴重な経験を頂いた。これからもさまざまな場面でメンタル・ハーモニーを忘れずに生きていきたい」とほほ笑む。

 (姉歯百合子)

 越田 和弘(こしだ・かずひろ) 1938(昭和13)年2月、当別町生まれ。北海道大学を卒業後、国策パルプ(現日本製紙)に入社。旭川、苫小牧市内勇払、東京などで勤務し、93年から苫小牧で暮らす。2006年から15年まで苫小牧合唱連盟会長。05年からコーラスのぞみ女声合唱団の指揮者も務める。苫小牧市明野新町在住。

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