秋を迎え、釣り人も活動しやすい季節となった。ここ1週間、断続的な雨により渇水気味だった河川の水位が回復。釣り倶楽部担当記者は千歳市の支笏湖に沿って道道453号を北上し、山間部に点在する渓流でイワナやニジマスを狙った。
□落ち込みの周囲はイワナの一級ポイント
今回は釣り場の状況に応じて釣り方を変更。流れのある瀬はミノー(プラグ)やスピナーなどのルアー、白泡の立つ落ち込みは餌(人工イクラ)を使った延べざおで臨んだ。
ルアーロッドは5フィートのライトクラスに2000番のスピニングリール。餌釣りは4・5メートルの延べざおを選択。ラインはいずれも1・2号(5ポンド)のナイロンを使用した。
最初の入渓ポイントは、橋の下にある階段状の落差工。落ち込み部分がえぐれて深くなっており、その周囲はイワナが居着きやすい環境と判断した。
この場所では餌釣りを選択。落差で生じた白泡の中心部へ仕掛けを落とし込むとすぐに魚が反応した。釣り上げたのは体長20センチほどのイワナ。腹部がうっすらオレンジ色に染まった「オショロコマ」だった。
□ルアーは魚の行動を考えて攻める
次に訪ねたのは、橋の下を流れる緩やかな渓流。入渓が簡単で家族連れでも訪れやすいポイントだ。川幅約10メートル、水深30センチの浅い瀬が100メートルほど続く。
川沿いを歩きながら全長5・5センチのミノー(6グラムのヘビーシンキングタイプ)をキャストした。対岸のギリギリを狙い、岸に対して平行を意識してルアーを泳がせた。すると、すぐにルアーを追い掛ける銀色の魚体が目に入る。ほどなく”グンッ”とさおに乗る重みを感じ、強い抵抗とともに水面を割って出てきたのは25センチほどのニジマスだった。
人気のポイントは、釣り人が訪れやすい半面、魚の警戒心が高くスレている場合が多い。一見すると、魚が居なそうな場所に潜んでいるケースもある。暦の上で秋とはいえ、まだまだ気温も高く、川の水温も例年より高い。日中は流れのある瀬に移動する個体もおり、今回も瀬の脇にある障害物の隙間に居着いた個体と思われる。
釣り場の条件や魚の習性などを考えながら攻略するのも釣りの楽しみ方だ。
□いつまでもきれいな川を
今回の釣行では、自然の美しさと対照的にごみの多さに目を奪われた。河川敷には、食べ物の袋やペットボトルなどが散乱している。休日にレジャーで川を訪れる人も多く、心無い行為に胸が痛む。
同じ環境を共有する釣り人として、きれいな川がいつまでも続くよう、ごみを捨てる行為をやめるよう呼び掛けていきたい。