1強2弱の自民党総裁選はきょう14日が投開票日だが、早い段階から大本命が浮上し、すでに焦点は組閣や党役員人事に移っている。ちまたでは新首相就任後の衆院解散、総選挙がまことしやかにささやかれる。10月13日公示―25日投開票説だ。
主要派閥の支持を得て、後継レースの先頭を独走してきた大本命は、当面新型コロナウイルス対策や経済の再生に力を入れる考えを強調してきた。しかし、密室でさまざまな思惑が交錯し、朝令暮改もある永田町。その時期は米国大統領選など海外の状況もにらみながら判断するとみられ「解散は首相がすると言えばしなければならない。それ以上でも、それ以下でもない」とも。早い話、大勝を確信できればやるだろう。今回も「総合的に勘案し、必要と判断した」と言えばよい。物は言いようだ。
一方の野党も、立憲民主党などの合流新党の動きが大方の予想通りの形で決着した。以前の分裂は何だったのか。どうやって国民の支持を集めていくのか。目指す国家像は? 経済の再生策は? 外交・安保政策は?―。与野党には、かさむコロナ対策費を踏まえた財政健全化策も聞きたい。政策を明確にし、来たるべき日に臨んでほしい。政治的空白は一刻も許されない。いい意味でも悪い意味でも、まずは自分たちが何をやってきたのかをしっかりと自覚すべきだ。自らを棚に上げた批判合戦はもういい。(輝)