大学野球の北海道学生野球1部秋季リーグ(6大学、2回総当たり戦)で苫小牧駒沢大野球部が第3節を終え、5勝1敗の2位タイと好位置につけている。第4節の12、13両日には、あいべつ球場=上川管内愛別町=で北海道教育大函館(1勝5敗)と対戦。現在6戦全勝で首位を走る函館大との最終節(21、22両日、苫小牧市のとましんスタジアム)に向け、勢いづきたい2戦となる。大滝敏之監督は「持ち前の守りの野球を徹底してほしい」とメンバーに期待する。
リーグは各チーム6試合を消化。負けなしの函館大を苫駒大と昨年大会覇者の東農大オホーツクが1敗で追う展開となっている。
苫駒大は第3節で東農大オホーツクと激突。第1戦は、エースで主将の伊藤大海(4年)が先発するも、頼みの打線が東農大の2年生投手陣にわずか3安打と振るわず0―2で落とした。
優勝争いに残るには絶対に負けられない翌日の第2戦は3―1で1勝をもぎとった。奮起したのは2年生だった。投手陣では今季から先発の一角を担う後藤晟が登板。「とにかく気持ちで投げた。無我夢中だった」と出だしからエンジン全開で東農大打線を抑えた。六回には1点こそ奪われたが、8回6安打9奪三振の出来だった。
後藤の力投に応えたのは、共に長野の松本国際高から苫駒大に進学した成田登夢だ。今大会から一塁手としてレギュラー入りし、打撃の良さも買われて6番に座る。四回1死一、三塁の好機で打席に立つと、2ボール2ストライクで監督から出されたサインはスクイズ。「決める自信はあった」と三塁方向へ巧みに緩く打球を転がし、先制の打点を挙げた。
「高校時代からのチームメートが援護してくれたのは大きかった。さらに力がみなぎった」と後藤は振り返る。自身は新型コロナウイルス禍で地道に磨いた制球力を好投の源泉にした。「次は東農大戦のとき以上のピッチングがしたい」と力強い。相棒の成田は4試合で1安打とまだ本来の力を発揮できていないが、「次はヒットを打って勝ちに貢献する」と闘志を燃やしている。