2018年9月6日に発生した胆振東部地震から丸2年を迎えるのを前に厚真町は5日、土砂災害などで亡くなった町民37人(災害関連死含む)に哀悼の意をささげる追悼式を町総合福祉センターで行った。遺族や町民ら約130人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに、一日も早い復興を願った。
今年の追悼式は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から3密(密閉、密集、密接)を避けるため規模を縮小。自由献花方式で行われた。
宮坂尚市朗町長は「一人がみんなのために、みんなが一人のために気遣って力を結集することで犠牲になられた方々から託された郷土厚真を再生し、必ずやこの苦難を乗り越える」と式辞。町議会の渡部孝樹議長も「被災された方々の気持ちに寄り添い、早期復旧、復興へ全力で取り組んでいく」と決意を述べた。式には鈴木直道知事も参列し、献花台に花を手向けた。
親戚が犠牲になったという豊丘地区の栃木美江子さん(66)は「(生前)いろんな所で会ってよく話をしたおばさんに、(おばさんの分も)元気でいるからね―と伝えた」と手を合わせた。
知人、友人を多く亡くしたという富野地区の沖田善輝さん(56)は「自然災害はどこでも起きるもの」と改めて認識。「復興に向けて頑張る」と決意を新たにした。
献花台は6日午後3時まで、同センター大集会室に設置。自由に献花できるようにしている。
同地震の被災地では安平町追分地区のぬくもりの湯の指定管理業者が、6日の入浴者1人につき100円を町に寄付する取り組みを企画。むかわ町は同日、鵡川地区で、各家庭に災害時に備えて避難所の確認や避難路の危険な場所を確認してもらう「防災さんぽ」を予定している。