練習を見る

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年9月4日

  最近になって習慣としているのは外出先から帰った際、せっけんを使った手洗いとうがいだが、以前からの習慣は王子イーグルスの練習見学。今週も白鳥王子アリーナに出掛けてきた。

   次シーズンに向けた所属日本人選手による氷上練習は苫小牧で7月に始動し、リンクの上を縦横斜めに駆け、攻守の状況を演習する。訓練からチームがなそうとすることを探る観察は記者修行でもある。今、どのメンバーも試合開始の日を待ち望んでいる様子だ。

   今年は新型コロナウイルス禍という予期せぬ地球的事態が起きた。2月下旬、アジアリーグのプレーオフセミファイナルで流行が拡大する韓国に滞在したチームはマスク着用、手洗い、周辺消毒を徹底して予防策を講じ、「無観客試合」も経験した。流行が国内にも広がった春には室内トレーニングを少人数の班編成で時間別に行動するルールを作って鍛えた。

   そしてリーグはロシア、韓国と暫定的に切り離し、国内5チーム総当たりの「ジャパンカップ」として来月10日開幕が決まった。

   苫小牧で迎える初戦まであと1カ月強。尋ねてみると菅原宣宏監督は「この現状でホッケーができることって本当にありがたいです」と熱弁。この際、たっぷり時間をかけてチーム強化が行えると捉えるべきだろう。剣豪の宮本武蔵いわく〈千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす〉。習慣の練習ウオッチングにまた赴こう。(谷)

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