小樽市などで5日に開幕する天皇賜杯第75回全日本軟式野球南北海道大会に苫小牧市消防署野球部が出場する。4年ぶり5回目の苫小牧支部代表となり、トーナメントでは2回戦からの登場で祝津青塚野球部(小樽)―JA北いしかり(石狩)の勝者と準決勝進出を競う。齋藤昇監督は「まずは初戦突破を目標として、目の前の試合を一戦一戦大事に戦っていきたい」と語った。
7月にあった苫小牧支部予選決勝は、2017年から3連覇していたトヨタ自動車北海道と対戦。タイブレーク十三回の激闘を3―2で制し、優勝した。
この大接戦で奮闘したのがベテラン右腕の35歳、寒河江宏樹だ。四回に継投してから9回を無失点。十三回のサヨナラ勝ちにつなげた。
テンポよくストレートとカットボールを投げ分け、打ち取る投球が身上。寒河江は南北海道大会登板に向けて「制球を意識してストライク先行のピッチングを心掛けたい」と意気込んでいる。
今春、新人2人が入部し、総勢18人の陣容となった。苫小牧工業高校で主将を務めた内野手・小野寺進吾が遊撃手レギュラーとなり、走塁では俊足を生かしてきた。「左右に打ち分けるバッティングはチーム随一」(齋藤監督)との評価も受ける21歳。早くも機動力野球の一角を担う小野寺は「長打を狙うより出塁することを優先に考えている。塁に出たら足を生かして、かき回したい」と話す。
チームは支部代表として出場した16年の南北海道大会で準決勝に進み室蘭支部代表の医療法人三愛病院に2―3で競り負けた。
今夏は4年前のリベンジを期し、「守り勝つ野球」をテーマに練習を重ねた。安定感のある投手陣と堅実な守備で失点を抑え、攻撃では少ないチャンスを点につなげる意識で大会に臨む。
練習ではバント多用の攻守を想定し、速やかで正確なゴロ処理を目指した。齋藤監督は「守備は華麗なプレーより確実にこなすことをモットーにしている。バントも得点につなげるために重要だと考えている」と話す。
ナインが共有する目標は南北海道大会初優勝。中堅手の33歳、中村忠大主将は「一つでも多く勝ち進めるように、最後まで全力プレーを貫きたい」と力強く語った。