白老の木彫り熊

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年9月1日

 昔はどの家でも、玄関や茶の間に一つは飾っていたのではないだろうか。木彫り熊である。今では見る機会が少なくなったが、昭和の時代は北海道を代表する民芸品、土産品として絶大な人気を誇った。その木彫り熊を扱った企画展が白老町の仙台藩白老元陣屋資料館で開催中だ。展示作品は地元や各地から集めた200点超。サケをくわえた定番のほか、「立ち熊」「這(は)い熊」「ほえ熊」「座り熊」など種類の多さに驚かされる。毛並みを細かく表現した「毛彫り」、毛を彫らずに粗削りで熊をかたどる「面彫り」と作り方にも違いがあり、民芸の域を超えた芸術と言える作品もある。

 木彫り熊は渡島管内八雲町と旭川市の二つのルーツを持つとされる。農民の冬の副業などで大正期から制作されるようになった。白老に伝わったのは昭和初め。駅前の田辺商店が八雲の品を参考に地元彫り師に作らせて売ったのが、後に一大産地となる白老の木彫り熊生産の始まりだ。戦後の観光ブームで飛ぶように売れ、全盛期には町で数百人の彫り師が活躍した。だが、時代の変遷で今では職人の数もごくわずか。このままでは作り手がいなくなりかねない。

 単なる民芸品でなく、北海道の文化として価値を高め、けん引した白老の木彫り熊作り。後世につなぐ社会の支えが必要ではないか。職人育成や販路開拓、そうした動きが盛り上がることを期待したい。(下)

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