元高校球児たちでつくるマスターズ甲子園道央支部(渡辺健治会長)が8月29日、とましんスタジアム=苫小牧市=で第6回OB戦を開いた。苫小牧工業、駒大苫小牧、苫小牧東の市内勢や道内各地の高校に在籍した元野球部員に加え、今夏で部活動を終えたばかりの3年生も交えて白熱した試合が繰り広げられた。
30日までの2日間にわたって開催予定だったが、悪天候のため第1日だけの開催となった。29日の第1試合は苫東が5―4で苫工に競り勝った。第2試合では駒大苫などの市内連合が5―5で函大有斗と引き分け。苫小牧南、静内、北見北斗などOB、高校3年生で構成された選抜チームと札幌西が対戦した第3試合は22―7で選抜チームに軍配が上がった。
参加した苫東OBの公務員石山真吾さん(23)は「現役時代に一緒にプレー経験のない先輩、後輩たちと母校のユニホームを着て野球ができてとてもうれしかった。いつかは甲子園でもプレーしてみたい」と笑顔を見せた。
今年は新型コロナウイルスの影響でマスターズ甲子園本大会や関連の道内大会が軒並み中止を余儀なくされた。このため、マスターズ甲子園道央支部と協賛の道高校野球OB連合が独自の代替イベントを企画した。
会場内や使用用具の小まめな消毒、関係者の検温など徹底した感染症対策が施された。視察のため福島県から訪れた全国高校野球OBクラブ連合の宝槻進一北海道・東北担当理事は「コロナ時代での新しい大会運営の形は大変参考になった」と評価し、「OBチームがまだない学校の元野球部員を集めた選抜チームも画期的。北海道地区はまだまだ伸びしろがある」と語った。
今OB戦の運営に尽力したマスターズ甲子園道央支部事務局の蔵重俊男さんは「参加選手や審判、球場関係者など皆さんが率先して感染症対策に取り組んでくれた」と喜ぶ。
道内の高校OBチーム増加に期待しながら、「高校を卒業しても甲子園を目指すチャンスがあることを知ってもらいたい」と呼び掛けていた。