旧早来町(現安平町)出身のミュージアムグッズ愛好家、大澤夏美さん(37)は16日、白老町の国立アイヌ民族博物館で「ミュージアムグッズから博物館の魅力発信を考える」と題して講演し、職員ら約40人が耳を傾けた。大澤さんは博物館のショップで販売するグッズについて「来館の感動や思い出を持ち帰るための大切なツール。館の認知度向上や来館のきっかけづくりに一役買っている」と強調した。
大澤さんは、文房具やシャツなどの衣類、アクセサリー類などの博物館グッズは「教材とも雑貨とも違う役割があり、品質の高さやアイデアの多様さからSNSを中心に面白さが広まるようになった」と指摘。
展示資料の動物を模したペーパークラフトや環状列石をモチーフにしたマグカップなど、自身が収集したグッズを紹介し、職員らはコレクションの実物に見入った。
同館のショップでは、木綿衣5点をモチーフにしたロールステッカー(500円)やウポポイのPRキャラクター「トゥレッポン」の帽子(2200円)などのオリジナルグッズを扱っている。大澤さんは全国の事例から、来館者と一緒にオリジナルグッズを考えるワークショップやレジ袋のデザインを一般から募集するアイデアも提案した。
大澤さんは北大大学院文学研究科(当時)で博物館経営論の観点からミュージアムグッズを研究し、修士課程を修了。会社員を経て全国各地でミュージアムグッズの役割や魅力を広めている。