北海道栄高校陸上部メンバーがこのほど、帯広の森陸上競技場=帯広市=で開かれた第70回全十勝陸上競技選手権大会で好成績を収めた。トラック種目で五つの大会新記録を樹立。高レベルな参加資格記録と出場者数が設定されている10月の全国高校大会2020(広島県)出場に向けて自己ベストを更新した選手も多く、堀下航監督は「気温の高さや競技間隔の短さなど、厳しい条件の中でもよく走れていた」と感心した。
大会は全国高校総合体育大会代替のリモート選手権指定競技会にも位置付けられ、男女のトラック、フィールド計41種目を2日間にわたって繰り広げた。道東圏を中心とした競技者が集まり、記録に挑んだ。
■個人、リレーで存在感・男子
100メートルの町井大城(2年)が10秒68の自己ベストをマークした。左足に痛みを抱えたまま臨んで「本調子ではなかった」と言うが、そこは昨年秋の国民体育大会年代別同種目で準優勝した実力者。全国大会資格記録にも達する走りは立派だった。課題はスタートを含めたレース前半と踏まえ、「前傾姿勢で走る適正距離を探しながら、10秒4台を目指したい」。
また、400メートルで48秒63の大会新をマークした志田原康太(3年)は全国大会資格記録にあと0秒18と迫った。200メートルにも挑戦し、疲れがたまる中「自己ベストを出せたのは良かった」と言う。
町井と共に4×100メートルリレーのメンバーにも名を連ね、41秒08と大会新とチームベストをたたき出した。
新型コロナウイルスの影響で満足にバトン練習ができず、受け渡しはまだスムーズにいかないが、「バトンパスが良くなればもっといいタイムは狙える」と自信をのぞかせた。
■苫小牧出身の石田が躍進・女子
すでに全国大会の資格記録を突破している400メートルのアシィしおり(3年)、100メートルの納村琉愛(1年)が各種目を制したほか、苫小牧和光中出身の1年生石田真夕が短距離2種目で存在感を発揮した。
まずは200メートルタイム決勝で自己ベストを更新する25秒73で2位となった。全国大会資格記録にあと0秒72と迫る力走に「最後に伸びがあった。うれしかった」と振り返る。続く100メートル決勝は12秒71と自己記録に0秒15届かなかったが、堀下監督は「どんどん良くなっている」と成長に目を細めた。
小中学時代に全国表彰台に上がった経験を持つ納村とは、中学3年から親交があった石田。同じ短距離種目を主戦場にする友人と「一緒にリレーメンバーを組んで走りたい」と強豪進学を決意した。持ちタイムの差はまだ歴然だが、「練習では少しずつ競ることができるようになってきた」と胸を張る。
若い力の台頭に唯一の3年生アシィは「明るく楽しい雰囲気で練習できている」と笑顔。自身も400メートルで「自己ベストの54秒台に近づける走りができるようにしていきたい」と意気込んだ。