大学野球の北海道学生野球連盟1部秋季リーグが22日、とましんスタジアム=苫小牧市=で開幕する。苫小牧駒沢大は、同日と23日の第1節で対戦予定だった道教育大旭川が新型コロナウイルスの影響で今月末まで活動を自粛することになって不戦勝。昨年秋以来、久々の地元球場での公式戦はお預けになったが、プロ注目の右腕エースで主将の伊藤大海(4年)は「前向きに捉えて旭川大との第2節(29~30日、上川管内愛別町)に調子を合わせたい」と冷静に語った。
苫駒大をはじめ、東京農業大北海道オホーツク、旭大、道教育大旭川、函館大、道教育大函館の6校が出場する1部秋季リーグ。土曜、日曜、祝日を利用した9月22日までの競技10日間で2回総当たり戦を繰り広げる。道教育大旭川は苫駒大、東農大オホーツク(8月29~30日)との対戦がそれぞれ不戦敗扱いになり、9月5~6日の第3節から参加。優勝校は札幌学生野球連盟の秋季リーグ覇者と明治神宮大会切符を懸けた道地区代表決定戦を行う予定だ。
新型コロナまん延によるかつてない苦境を乗り越え、苫駒大の部員は成長を遂げている。今年4月4日を最後に、感染症拡大防止の観点からチームの全体練習を自粛。「密閉・密集・密接」を避けるために約2カ月にわたって個別のトレーニング期間を過ごした。
5月下旬には春季リーグの中止も決まり、モチベーション低下が懸念されたが、大滝敏之監督は「4年生を中心によくまとまってくれた」と感心する。伊藤主将は「自粛期間で選手一人一人に自主性が身に付き、チームミーティングでは下級生の発言も増えた。物事をいろんな観点から見ることができるようになった」と言う。
こうした時期を終えた6~7月にかけてはWEEDしらおい、北海道ガス、航空自衛隊千歳など道内社会人チームと練習試合をこなした。今月中旬には、札幌学生野球連盟1部の札幌大とリーグ前最後となったオープン戦を行い、8―0で快勝。伊藤主将に次ぐ先発陣の2年生後藤晟が六回まで無失点。冬期間や自粛期間中に直球の精度に磨きを掛け、「ストレートで打ち取れるようになってきた。目標の大海さんとリーグ戦10勝を達成できるようにしたい」と頼もしい。
打線では主軸を形成する土井凜太郎、片岡新吾、小松樹音の4年生トリオの打棒に快音が響き始めた。札大戦で本塁打を放った主砲片岡は「実戦を重ねてバットが振れるようになってきた。いい形で大学野球生活を終えられるように頑張りたい」と意気込む。
22~23日の開幕節は、とましんスタジアムで大会運営に当たりながらライバル校の戦力動向を見極め、初陣となる第2節に向かう苫駒大ナイン。大滝監督は「うちらしく投手主体の守りの野球を実行したい」と構想する。伊藤主将は「一戦必勝。その先に優勝という結果があれば」と語った。
22~23日の第1節は、第1試合午前10時、第2試合午後1時開始。9月21~22日の第5節、とましんスタジアムは第1試合午前9時、第2試合正午、1試合ずつ開催の清水球場は両日とも午前11時の各開始。
日程は別表の通り。