昨年夏の選手権なら3回戦が終わった日取りだが、きのうをもって、史上初の高校野球甲子園交流試合が閉幕した。帯広農業と白樺学園の本道代表両校の奮戦に大きく拍手を送りたい。
新型コロナウイルスの世界的流行という前例のない情勢の下、代替甲子園大会として開催された各チーム1戦のみで計6日間、16試合が行われた。春の選抜と夏の選手権も中止となり、選抜出場権既得校に社会からの贈り物が輝きを放ち、十勝勢は存分に戦った。
帯広農業は16日、二回に先制すると、その後も追加点を挙げて健大高崎(群馬)を4―1で破り、甲子園初の1勝をマーク。昨年の秋季全道大会4強入りで21世紀枠校に選ばれていた。同枠校が一般枠選出校に勝ったのは2015年の松山東(愛媛)以来5年ぶりという。投手の井村塁主将は取材に「全員野球で最後に1勝できてうれしい」と喜びを語っている。
本紙エリアから鵡川が21世紀枠校として02年の第74回選抜甲子園に出場し、1回戦の三木(兵庫)を12―8で破った当時の活躍をほうふつとさせた。そして白樺学園は最終日、山梨学院(山梨)に3―8で敗れた。試合半ばまでは接戦を演じ、突き放されはしたが、出場選手が一心にプレーした。
連覇に準優勝と04年から3年間、駒大苫小牧が本道から熱風を運んだ夏の甲子園。特別な今回、十勝から届いた風が二陣にわたって吹き抜けたことは忘れ難い。(谷)