王子イーグルス 飛躍期す2人のFW -⑧高橋聖二⑨高木健太

  • スポーツ, レッドイーグルス
  • 2020年8月15日
所属10年目の節目を迎えた高橋
所属10年目の節目を迎えた高橋
通算100ゴール達成へ突き進む高木
通算100ゴール達成へ突き進む高木

  アイスホッケー・アジアリーグ王子イーグルスの高橋聖二(27)、高木健太(26)の両FWが活躍する舞台の幕開けを待ちわびながら研さんに励んでいる。昨シーズンは共にチーム内ポイントランキングで上位に名を連ね、攻撃の核になった。新型コロナウイルスの影響でリーグ開催はめどが立たない状況が続くが、菅原宣宏監督が「一生懸命で真面目。今季はより奮起してほしい」と期待を寄せる2人から目が離せない。

   高橋は今年、アジアリーガーとして10年目の節目を迎える。王子でFWの主将や監督を務めた啓二さんが父で、叔父は元コクドFWの瀬沼彦三さん。苫小牧工業高卒業後の2011年に入団し、「あっという間の10年。自分でもびっくりしている」とはにかむ。

   攻守にわたるアグレッシブなプレースタイルで頭角を現し、技巧は年を重ねるごとに円熟味を増した。昨季は副主将に抜てきされ、自身の胸中を「若い選手が伸び伸びプレーできるように気を配ることが多くなった」と振り返る。練習や日常生活の中で気付いたことがあれば、すぐさま指摘する。「駆け出しのときに久慈(修平)さんや小川(勝也)コーチが同じことをしてくれて、すごく勉強になった。次は自分が担う番」と使命感を口にする。

   19~20シーズンは、レギュラーリーグのポイント王を獲得した中島彰吾(26)らとセットを組み、9得点20アシストとチーム2位のポイントを稼いだが、周囲に攻めのチャンスを与えるゲームメークに意識が傾いていて「もっと得点していれば勝てる試合はたくさんあった」と満足はしていない。ゴールを貪欲に狙った若手当時の心持ちに立ち返る構え。10年選手として「自分のプレーで後輩たちが『もっと頑張らないと』と思えるようにもしたい」と意気込む。

   一方の高木は、中島と共に日本製紙クレインズ(現ひがし北海道クレインズ)から昨年移籍してきた苫小牧出身選手だ。駒大苫小牧高卒業。イーグルス一員となった19~20シーズンは10得点17アシストとチーム3位タイのポイントをマーク。身長184センチと大柄で突破力や高速のシュートを持ち味にしている。「体の調子はいい。王子の練習にも慣れ、刺激になっている」と自信をのぞかせる。

   練習の虫でもある。氷上の全体練習後の自主トレーニングでは、使用時間いっぱいまでリンク上に残り、シュートやフェイント、パスといった細かな動作の確認にいそしむ。「単純にアイスホッケーが楽しいから」と理由を語るが、昨季チーム最多となる100本のシュート機会が巡ってきたのは努力の証しだ。

   クレインズ時代の13~14シーズン以来7季連続で2桁得点をマークし、今季はレギュラーリーグ通算100ゴールにあと17点と迫る。大台達成に「不可能な数字ではないけど、シーズンの出足がいつも悪い。今年はいいスタートを切って、よりゴールにこだわっていく」と言う。また、シュート力を生かした中距離からの得点が多い半面、ゴール付近での得点に課題があると自己分析し、「ポジショニングを含めてゴール近くでプレーする意識も持ちたい」と抱負を語った。

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