鈴木直道知事は7月31日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議と記者会見を開き、8月1日から9月末までの2カ月間を「新北海道スタイル集中対策期間」とすることを発表した。第1弾として札幌市と連携し、感染が拡大するススキノ地区のキャバクラなど接待を伴う飲食店500軒に対し、戸別訪問を実施。「徹底したドブ板で戸別訪問し、新北海道スタイルの実践を働き掛けていきたい」との姿勢を示した。
知事は「全国的に過去最多の感染が相次ぐなど感染が再拡大」していることや、「夏休み、お盆を迎え、旅行や帰省により、人の動きがさらに活発化することが予想される」と、「集中対策期間」設定の背景を説明した。
集中対策期間は(1)接待を伴う飲食店への働き掛け(2)接待を伴う飲食店以外の事業者への働き掛け(3)宿泊事業者・交通事業者への働き掛け(4)感染拡大防止の解説動画制作やワークショップの開催―の四つの柱で取り組む。
ススキノ地区の戸別訪問は8月上旬からスタート。▽新北海道スタイルの実践▽ススキノ地区感染防止対策マニュアルの順守▽業界のガイドラインの順守▽北海道コロナ通知システムや国の接触確認アプリ(ココア)の導入―を呼び掛ける。知事は「対策に必要な設備や備品購入の支援制度も事業者に直接説明し、取り組みを促していきたい」と述べた。
接待を伴う飲食店以外の事業者に対しても、商工会議所や商工会と連携して戸別訪問を計画。「業界団体が組織化されておらず、情報が行き届きにくい業種や業態を中心に、8000軒以上の店舗を訪問。こちらもドブ板で、徹底的に戸別訪問し、新北海道スタイルの実践を働き掛けたい」と強調。また、道が休業要請した支援金の交付先事業者(約2万6000事業者)に対しても「新北海道スタイルの実践を改めて依頼する」とした。
この他、知事は道内の新規感染者の年代別割合を公表。30代以下の感染者が、緊急事態宣言解除直後の1週間(5月26日~6月1日)は26%だったのに対し、直近1週間(7月24~30日)は88%と9割近くまで増加していることを説明。「東京、大阪でも若い世代の感染拡大が確認され始めた後、2、3週間後に感染者が大幅に増加し、中高年に感染が広がる傾向が見られる」と指摘。「高齢者への感染リスクが高まる恐れがあり、注意が必要だ」と警戒感を示した。