道は27日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、8月1日に予定していたイベントの開催制限緩和を8月末まで先送りする方針を決めた。政府が22日に決定した方針を踏襲した格好で、首都圏や関西圏で感染が拡大していることなどを重視し判断した。鈴木直道知事は「大規模なイベントは全国的な移動を伴うことにより、一部地域で感染リスクが拡大する可能性がある。当面、8月末まで人数の上限(5000人)の制限を維持する」と述べた。
道は6月1日に休業要請を全面解除。併せて6月以降のイベント開催制限に関し「ステップ1」(6月1~18日)、「ステップ2」(6月19~7月9日)、「ステップ3」(7月10~31日)、「移行期間後」(8月1日~)―と段階的に緩和する方針を打ち出していた。
これにより、8月1日からは最大5000人としていたイベント参加者の上限をなくし、屋外では十分な間隔を取ること、屋内では現在と同じ会場の収容率50%の範囲内とすることを条件に、大規模イベントも認める予定だった。
9月以降の取り扱いについては「今後の国における検討結果を踏まえ、決定したい」(三瓶徹保健福祉部長)とした。
知事は8月末まで継続する5000人を超えないイベントについても「多くの人が集まることに変わりはない。引き続きイベント主催者、施設管理者に対し、業界別のガイドラインを順守し適切な感染防止策を講じるよう、改めて周知徹底を」と本部員に指示した。
また、知事は札幌市中央区のススキノ地区の接待を伴う飲食店で、新規感染者が増加していることに触れ、「大変、憂慮すべき事態と考えている」と強調。札幌市と合同感染症対策チームを立ち上げ、同地区に臨時PCRセンターも稼働させたことを説明し「まずは接待を伴う飲食店の従業員や、こうした店舗を利用された人に積極的に保健所などに相談していただきたい」と呼び掛けた。