鈴木直道知事は22日、定例記者会見を開き、道の新型コロナウイルス感染症対策を検証する有識者会議を30日に立ち上げ、初会合を開くと発表した。医療・介護・経済・労働など各分野から学識経験者や専門家など9人で構成し、座長には北大公共政策大学院の石井吉春客員教授が就任予定。「毎回テーマを設定して議論してもらい、9月上旬をめどに中間的な検証をまとめる」と述べた。
有識者会議の設置は、道内の感染拡大の「第1波」(2月下旬~3月中旬)と「第2波」(4月中旬~5月下旬)に対する道の一連の施策を検証するのが狙い。知事は「9月上旬まで4回程度、原則公開で開く」と説明。近く、道の対応について市町村を対象にアンケートを実施する考えも示し、「有識者には自由闊達(かったつ)に議論してもらいたい」との姿勢を示した。
また、知事は国が6月19日に示した「新たな流行シナリオ」に基づく、道内の患者推計を発表。感染が拡大した場合、ピーク時の入院や宿泊療養する患者数は1241人(入院患者数839人、宿泊療養者数402人)に上ることを明らかにした。これまでの最多は「第2波」の時の499人(5月2日)で、「第3波」はこの2倍以上の大きな波になるという推計だ。「この患者推計をベースに、段階的に病床確保を進めていく」と説明。広域な本道の特性を踏まえて圏域別に体制を整備する考えを示し、「各地域の医療機関に対して対応可能な病床数の調査を進めている。今月末をめどに公表したい」と語った。
この他、知事は緊急事態宣言解除直後(5月26日~6月1日)と直近1週間(7月15~21日)の新規感染者の年代別割合を公表。30代以下の感染者は宣言解除直後が26%だったのに対し、直近1週間では66%に増加。さらに患者のうち軽症者向けの「宿泊療養」が占める割合は、宣言解除直後が5%だったのに対し、直近は30%に。「最近の新規感染者は若い世代、軽症者が増加している特徴がある」と指摘した。
政府がイベントの人数を5000人までとする制限を8月末まで1カ月延期したことに関し、知事は「道としての取り扱いを慎重に検討したい。(当初予定していた8月1日から)人数制限を設けない形で緩和していくことは難しい」との姿勢も示した。27日に開く感染症対策本部会議で、道の対応を正式に決定する。