王子 イーグルス 初の全体練習に集中 リーグ年内見送りにも動じず

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2020年7月9日
今季最初の全体氷上練習に臨んだイーグルス=8日、白鳥王子アイスアリーナ

  アイスホッケー・アジアリーグの王子イーグルスが8日午後、苫小牧若草町の市白鳥王子アイスアリーナで新シーズンに向けた初の全体練習を行った。アジアリーグの年内開催見送りが同日発表されるなど、新型コロナウイルスの影響が続く情勢下、DFの山下敬史主将は「どんな状況にも対応できる心構えはしてきた。いつでも試合ができように準備したい」―。メンバーは動じることなく練習に集中した。

   感染症と向き合うチームの活動が続いている。午前に陸上トレーニングをこなした選手たちは、施設入退館時のマスク着用や水分補給用ウオーターボトル、汗拭きタオルの各自持参など、チームが作った指針を順守しながらホームリンクに集まった。

   リンクに上がる前のミーティングでは、「今シーズン挑戦したい技術的な要素」(菅原宣宏監督)をまとめた動画を流しつつスタッフが練習の取り組み方を解説。選手がFW、DF、GKのポジション別トレーニングを軸に1時間半ほど汗を流した。

   終了後ほどなくして、菅原監督は「FWはいかに俊敏な動きができるか。単なるスピードではなく、スケーティングする脚の動かし方など細かな部分にも意識を向けさせた」とし、「DFは守りから素早く攻撃につなげる動きを確認した」と語った。「選手たちなりに考えながら取り組んでくれた」と全体練習初日の手応えを口にした。

   いまだ収束しない感染症の流行でアジアリーグの年内開催はなくなった。

   山下は「今できることをしっかりやって、試合ではベストなパフォーマンスをしてファンや市民のみなさんに元気や勇気を与えられるようにしたい」と語った。

   アジアリーグ2019~20シーズンのレギュラーリーグ表彰を受けたDF橋本僚副主将、FW中島彰吾の2選手が全体練習初日、軽快な動きをそれぞれ見せた。

   ベストDFに輝いた橋本は「状態はいいけど、焦らずにいきたい」と言う。DF佐々木一正やFW高橋聖二、中島らの名を挙げ、「前のシーズンはラインメートに恵まれた」と振り返る。36試合にフル出場し2得点20アシストの奮戦。「守備はもちろんだけど、もっと自分でスコアできるようになりたい。FWの練習にも交ざりながら得点感覚をつかみたい」と新シーズンへの抱負を語った。

   攻撃の要となる中島は移籍1年目だった昨シーズン、チーム最多の14得点32アシスト、計46ポイントと大暴れ。最多ポイント選手とベストFWの2部門を受賞した。「新しい環境にうまくアジャストできた。2年目はよりチームの先頭に立って引っ張っていきたい」と意気込んだ。

   菅原監督はいい汗を流したメンバーの表情を見渡して「まずは7~8月で陸上、氷上の2部練習を繰り返しながら体力的に追い込んでいく」と言う。シーズン到来までに太い幹を育ててから、枝葉を整える。「これまでチームができたことをもっと熟成させていく」との考えだ。

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