帝国データバンク札幌支店は、6月の道内企業の景気動向調査結果を発表した。新型コロナウイルスの影響で悪化している景気DI(「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した割合を引いた指標)は前月比3・1ポイント増の30・6となり、9カ月ぶりに改善した。業界別では9業界中、7業界で改善。ただ、依然として30台の低水準で推移している。
全国平均の景気DI(27・6)と比べると、道内は3カ月連続で上回っている。
企業の規模別の景気DIも、10カ月ぶりに全ての規模で改善。大企業は前月比5・1ポイント増の31・6となり、2・7ポイント増の中小企業(30・4)を2カ月ぶりに上回った。中小企業のうち小規模企業は2・7ポイント増の32・4となった。
業界別の景気DIは、9業界中、7業界で改善したものの、全て40を下回る低水準で推移している。「不動産」は前月比11・4ポイント増の34・9となったほか、飲食店や旅館・ホテルで改善が見られた「サービス」も4・5ポイント増の26・6になった。
一方、「金融」は2・9ポイント悪化して28・6、「運輸・倉庫」も0・2ポイント減の29・2に下落した。
今後の景気DI見通しでは、「3カ月後」が35・0(前月調査30・2)、「6カ月後」が35・1(同31・2)、「1年後」が36・8(同32・9)と、いずれも前月を上回った。
緊急事態宣言解除により、企業側からは「6月中旬以降、荷物の動きが増えてきているようだ」(運輸・倉庫)とのコメントも。ただ、「各種イベントの中止により売り上げが減少」(繊維製品・服飾品卸売)など、依然として厳しい声が大半を占めている。
調査は6月17~30日に、インターネットで実施。1125社を対象に563社から回答を得た(回答率50・0%)。
景気DIの推移
月別 北海道 全国
1月 42.4 41.9
2月 39.0 38.7
3月 31.0 32.5
4月 28.4 25.8
5月 27.5 25.2
6月 30.6 27.6