ドギーバッグ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2025年1月13日

  お正月気分はすっかり抜けて、いつもの日常が戻ってきただろうか。それでも、各団体やグループの新年会はしばらく続きそうで、新年の抱負が語られている。

   そんな会合で付きものが「宴会料理」だ。さまざまな団体に所属しているために、こうした宴会を掛け持ちで回らなければならない人もいる。以前、参加者からこんな話しを聞いた。「同じ会場ならどうしてもメニューはほぼ同じ。なかなか箸をつけられない」。

   宴会料理だけはなく、飲食店の食べ残しや小売店の売れ残りなど「食品ロス」は社会的な大きな課題。農林水産省の統計では、年間の食品ロス量は2022年度で472万トン。国民一人当たりに換算すると、一日103グラム。茶わん1杯のご飯量に相当するという。家庭から出る量と飲食店などの事業系はほぼ同じ量だ。

   これを何とか減らせないか。長い間、取り組みがされているものの、なかなか浸透しないのが「ドギーバッグ」。食べ残した食材を持ち帰るためのバッグだ。お店に一声掛けて、バッグに入れて翌日のお昼などに食べる。食費も浮いて経済的。洗って何度も使えるタイプなど多様な種類もある。日本特有の「もったいない心」。ドギーバッグを持つのが普通の感覚にならないか。思案する。(昭)

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